モントリオールの冬が生んだ実存的なスラッカー・グランジ——内省と爆音のダイナミズムが交差する、knittingの新たな最高傑作

モントリオールの冬が生んだ実存的なスラッカー・グランジ——内省と爆音のダイナミズムが交差する、knittingの新たな最高傑作

カナダのDIYシーンで活動してきた Mischa Dempsey 率いるバンド knitting が、2026年6月26日にMint Recordsよりセカンドアルバム『Souvenir』をリリースします。2024年のデビュー作『Some Kind of Heaven』で確立した、スラッカー・グランジとベッドルーム・サウンドを融合させたスタイルを継承しつつ、本作ではモントリオールの冬の憂鬱の中で書き上げられた、より内省的で実存的な世界観を展開。メンバーの Sarah Harris がエンジニアリングを指揮し、シンセサイザーや緻密なギターリードを加えることで、これまで以上に洗練された唯一無二のサウンドへと進化を遂げています。

アルバムからの先行シングル「I Want To Remember Everything」は、「すべてを覚えていたい」というタイトル通り、子供時代の自分自身へのラブレターとして書かれました。フロントパーソンの Dempsey は、周囲に馴染むために隠してしまった「風変わりな子供だった自分」の断片と再び繋がろうとする試みを歌っています。かつて家庭のPCで繰り返し見たLinkin Parkのファン制作動画や、1996年の映画『ハリエットのスパイ』といった当時の個人的な原体験が楽曲のインスピレーション源となっており、ノスタルジックながらもエッジの効いた質感を作り出しています。

バンドはこれまでにSXSWへの出演や北米・欧州ツアー、さらには伝説的なポストパンクバンド Preoccupations のサポートを務めるなど、世界各地で着実に支持を広げてきました。Dempsey、Andy Mulcair、Sarah Harris の3名を中心とする現在の体制は、10年にわたるアンダーグラウンドでの活動に裏打ちされた高い成熟度を誇ります。モントリオールの活気あるDIYシーンへの目配せを含んだ本作『Souvenir』は、変わりゆく季節やツアーの合間に紡がれた思索の記録であり、バンドの美学をより強固に提示する重要な一作となるでしょう。