Dog Bite – ‘Velvet Changes’ (Carpark)

知り合いでもない人と偶然かぶってしまうと恥ずかしいものである。電車に同じTシャツを着た人。前後車種もカラーリングも一緒の車。定食屋で頼んだ料理が隣りの人と一緒だった時。それを反対隣りのおばちゃんが横目に、この店ではあれを頼むのが定番なのか、って顔をしているとき。そしてそれはたまたまで、大して美味しくもなかったとき。むしろそっちにしておけばよかったと思ったとき。世の中はほとんどが選択肢だけなのだから仕方ない。音楽の場面も聴く側は、何かを選んで聴くだけだけど、やってる方はちょっと違う。でも、結果似ているものなんてよくあること。でもそれを否定するつもりはありません。Dog Bite もなんかしらの “似てる” からは逃れることはできないが、なんとか特有なものを見つけようと聴いているが、要素のほとんどは自前のものではないかもしれない。でも、持ち味っていうものはありそう。彼等が辿り着いた持ち味は、過去のインディ・ダンスを劣化させ、ズレを意識した曲作りにあるともう。ただこの感覚は決して新しくないし、2, 3年くらい前のローファイ・ブーム時にも沢山聴けたような雰囲気である。ですが、同時のそれらのものは、どちらかと言えばソロプレイかつ内側ベクトルなものがほとんどでしたが、彼等はそれをバンドとして演じた結果、こじんまりした雰囲気がなく、開放的なのです。どうやら彼等はかぶりを、うまく回避できたようです。

7.0/10