Akron/Family – ‘Sub Verses’ (Dead Oceans)

Sub Verses

2007年にリリースされた Love Is Simple を、当時お店で作っていたフリーペーパーで年間ベストに選出したのは振返っても間違ってはいなかったかなと思ってます。それは、その後彼等がリリースした2作品 Set ‘Em Wild, Set ‘Em Free‎S/T II: The Cosmic Birth And Journey Of Shinju TNT を聴いた後ではなおさらというか、Love Is Simple が持ってる潜在力は相当なものがあったと思う。後の2作品が悪い出来ではありませんが、メンバーがひとり減ったこともあったのか、スタジオ録音に重きを置いたような作りで、Love Is Simple 程、圧倒されるようなものはなかった。その替わりに彼等の内側にある部分を絞り出し、あくが抜けた音楽的に深いものになっていた。で、新作 Sub Verses はどうなのかといいますと、 Love Is Simple の頃に少し戻った感じだと思う。脱退し仏門へと歩んだメンバーの影響か、Love Is Simpleに混ざっていた宗教的な雰囲気が、特有な高揚感を作り出してたけど、今回は別の種類のマンパワーで圧倒する感じ。それが何かと言われたら、たぶん普通にロックだと思う。時に洗練された丁寧な作りの曲も交えつつ、全体的には荒々しさが戻っていて、簡単に言えばシンプル。ヴォーカルも今までの様なチャント節もあるけど、歌う感じを全面に押し出ているし、激しさもある。さっきロックと言いましたが、今作は Akron/Family にとってはある意味パンク、そしてソウルな作品じゃないですかね。近々来日もあるし、このノリなら前回以上に盛り上がれるはずだから、ちゃんと聴いて準備しておきましょ。

8.0/10

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Witxes – “Through Abraxas III”

Witxes

Witxes と書いて “witches” と発音するフランスのエキスペリメンタル、ポスト・ロック・バンドが、間もなくリリースするセカンド・アルバム A Fabric Of Beliefs から、収録曲 “Through Abraxas III” のストリーム音源です。ダークでノイジーなインスト曲です。リリースは Denovali Records から 5月にリリースされるようです。

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Cuntz – ‘Aloha’ (Permanent/Homeless)

Aloha

このアートワークにこのタイトル、あまりに適当すぎて飽きれてしまう。このおじさんは何を釣っているのかねえ。ちゃんと釣ってくれよ。Cuntz はメルボルンの若もの4人組らしいですが、最初聴いたときはもっとおじさん達かと思うほど、一昔前の時代の感じがした。思い出すのはヴォーカルの声質とベースの感じからして The Jesus Lizard なんですが、それよりは Scratch Acid の方が近いかもしれない。それにリード・シンガーの Ben Mackie は、言われてみれば見た感じも David Yow 風だし、なんか意識してるんでしょうか。結構顔かたちが一緒だと声質も似るもんですよね。演奏は The Jesus Lizard ほど統制の取れたものではないが、荒々しい感じに血が騒ぐ。途中、観衆とのやり取りの場面もあり、どうやらライブの音源をそのまま使っているようで、編集も雑な感じですが、ライブ盤と呼ぶほどグダった感じもないし、そう考えると演奏はしっかりしていますね。しかし客の声が聞こえてこないんだが、人少なかったのかな。セカンド・アルバムがいつになるか分かりませんが、スタジオ作を早く聴いてみたいですね。

6.5/10

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Dutch Uncles – “Queenie”

Dutch Uncles

今年新作アルバム Out Of Touch In The Wild をリリースしたばかりのマンチェスターのオルタナ、プログレポップ・バンド Dutch Uncles が早くも新作EPをリリース。Aサイドに収録の “Queenie” は、アルバムには未収録の曲です。Bサイドには、アルバムから “Fester” を収録。Memphis Industries から 4/29 にリリース。ついでに先日のレコードストア・デイにリリースされていた Grace Jones のカバー曲 “Slave To The Atypical Rhythm” のストリームもどうぞ。

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TEEN – “Carolina”, “Paradise”

ブルックリンの女性4人組サイケポップ・バンド TEEN が、昨年リリースされたデビュー・アルバム In Limbo 以来となる新曲 “Carolina” は、同タイトルのEP からのもの。メロディの浮き沈みや展開に深みが増しましたね。EP は、Carpark Records から 5/28 にリリースされます。

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4/28 update:

そして、さらにもう一曲先行で “Paradise” がアップされました。

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No Joy – ‘Wait To Pleasure’ (Mexican Summer)

Wait To Pleasure

女の子ふたりってことが、セールスポイントだったけど、サウンド面強化を求めてか、メンバーを増やして4人組としてリリースしたのが2010年のデビュー作 Ghost Blonde でした。その後の状況をちゃんと把握できてませんが、アー写などを見ていると現在はトリオ編成になってると思われるモントリオールの No Joy 。その後シングルやEPを経て Wait To Pleasure が2作目となるが、今作では Violens の Jorge Elbrecht がプロデュースをしているようで、その影響は明白に出ていて、こりゃ Violens そのものじゃんって思えるものがもちらほら。一部の情報では、Jorge Elbrecht は Chairlift のメンバーとの記述がありますが、間違ってるのか、最近加わったのか、その辺はわからないけど、先日のレコードストア・デイの企画で Mexican Summer からレーベル在籍の Tamaryn を招いてソロ・シングルもリリースしておりました。この方の動向は今後もちょっと気になりますね。本作ではプロデュースの他にドラム・プログラミングでも加勢しているようで、そういうことは、現在はバンドにドラマーが不在ってことでしょうか。生音とそうじゃないドラムとの曲があるように、スタジオ制作環境が強く反映されており、曲調も、優しいもの激しいもの、そしてえげつないものとなかなかの多彩。メンバーのお姉さん曰く、お客さんがいない状況を想像して作った、誰もいないことなんて気にしない、自分たちのために作った、と、なんとも寂しいことをおっしゃっておるのであります。レーベル側は、幸運にももこうやって彼女達の聴くことができると、フォローを入れておりますが、誰のために音楽を作ってるかって人それぞれですから、いいんじゃないですか。でもそこまで言うなら実際のライブも、観客置去りでドSな感じでやってもらいたい。それこそ、シューゲイズの語源を体現してると思う。

7.0/10

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Jetman Jet Team – “We Will Live The Space Age”+

Jetman Jet Team

シアトルを拠点にするサイケデリック・ポップ、シューゲイズ・バンド Jetman Jet Team のデビュー・アルバム We Will Live The Space Age が、Saint Marie Records からリリースになっております。現在、アルバムと同タイトルのオープニング曲の他、全3曲がbandcampでストリーミングできます。

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Speedy Ortiz – “Ka-Prow!”, “Hexxy”

Speedy Ortiz

ノーサンプトンの女性ヴォーカルのノイズ・ポップ/オルタナ/グランジ 4ピース・バンド Speedy Ortiz が、間もなく Inflated Records からシングルをリリース致します。収録の “Ka-Prow!” と “Hexxy” が、以下でストリームできますよ。そして、彼等のデビュー・アルバム Major Arcana は、7/9 に Carpark Records からリリースされます。

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!!! – ‘THR!!!ER’ (Warp)

Sketch 4

Out Hud とのスプリットEPで初めて出会い、そのリリース元である GSL Records と含めて熱く盛り上がっていた頃が懐かしいけど、その後はレーベルは活動を止め、Out Hud の方はレーベルを Kranky に移し、わりと早い段階で解散をしてしまいましたが、こちらの !!! はいまだに健在で確固たる地位も確立し、随分と差が出たもんです。あのEPとその後のデビューLPは、かなり聴いていたなあ。途中、国内レーベルから頂いたプロモ盤のカセットはある意味家宝になってますが、デビュー作から約13年、3年ぶりとなる5作目のフル作。大体3年置きにアルバムをリリースをしてきた彼等。なので大きなブランクと考える必要はないけど、前作、そして今までの作品と比べ、製作過程において取り組み方を見直したようですね。タイトル THR!!!ER に込められた意は、ヒット作になるためであり、かなり自信作のようです。プロデューサーやゲストの女性シンガーなど、外的要素を利用しつつ、アルバム内に人気曲になり得るようなものが幾つかある。今の時代では80年代のようなやり方でヒット曲を生み出すのは不可能だし、人気になるための手段はかなり複雑。それとヒット曲になるためには、時代感みたいのもが大きな鍵になってくるし、意図して出来るものではないと思う。果たして、彼等が狙った音楽と世間が合致するかどうかは、まだこの先数ヶ月の結果をみないと分からないけど、あまり思い出話しをするのは嫌ですが、自分にとって !!! が一番スリルだったのは、やっぱ初期のスレスレでギリギリ感があった頃。でもあれを今やっても違うだろうし、これはこれで合ってるのかな。難しいねえ。

5.5/10

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David Yow – “Thee Itch”

David Yow

最近スプリット・シングルでソロ・リリース作がありましたg、The Jesus Lizard のシンガー David Yow が、初のソロ・アルバムをリリースします。現在サイトに上がっている音源 “Thee Itch” は、インダストリアルでシネマチックなインスト的な曲で、全容はどんな感じになるなかな。アルバム Tonight You Look Like a Spider は、Joyful Noise から 6/25 にリリースです。

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