Sylvere – EP2

多くのアーティストが名声と富を夢見る。Sylvereは、巨大なサウンドシステムを夢見る。昨年、ベースビンが鳴り響く ‘EP1’ で Monkeytownからデビューしたこのパリのプロデューサーは、サウンドシステム文化を脈々と受け継いでおり（父親はフランス領西インド諸島出身）、今回も騒々しいクラブヒーターの数々を披露してくれた。

‘EP2’bに収録されている5つのトラックは、’EP1’ と同じように熱狂的であるが、この新譜には独自の騒々しい魅力がある。”Toys” は、ウージーなベースラインと自信に満ちたスウェイジャーでEPの幕を開けるが、Sylvereは物事を長く冷静に見守ることはせず、すぐにラガとドラムンベースによるヒステリックな暴れっぷりを披露している。このトラックは、特に巨大なスピーカーを想定して作られており、アーティストのカリブ海での過去とヨーロッパの現在をスリリングに繋ぎ、90年代のデジ・ダンスホールのテンプレートを今日の産業用強力サウンドシステム向けに更新しています。”Fields” は、ダンスホール風味のクラブ・デストラクションで、エアホーンが繰り返し鳴り響き、その迫力はこのトラックの轟音に勝るとも劣らない。

“Pulsar” は切ないメロディーを持つ曲ですが、ドラムとベースの響きが心地よく、ダンスフロアを席巻するような曲です。”Conception” はさらに容赦なく、荒々しく鳴り響くパーカッションは、まるでレイブパワーのピンボールマシンの中を跳ね回っているようなサウンドと感触を与えてくれます。このトラックは、Modeselektorが Sylvereを Monkeytownに迎え入れるきっかけとなったもので、そのマニアックなエネルギーを聞けば、若いフランス人がすぐにファミリーの一員になるように誘われた理由も理解できなくはないだろう。