ARTIST : High Vis
TITLE : Blending
LABEL : Dais Records
RELEASE : 9/9/2022
GENRE : punk, postpunk
LOCATION : London, UK
TRACKLISTING :
1.Talk For Hours
2.0151
3.Out Cold
4.Blending
5.Trauma Bonds
6.Fever Dream
7.Morality Test
8.Join Hands
9.Shame
High Visは2016年、英国最高のハードコア・バンドの灰の中から結成された。金歯のフロントマン、Graham Sayleの労働者階級のイギリスでの生活についての苦悩に満ちた歌詞は、Tremorsのフルスロットル・スラッシュのファンにはおなじみだったが、彼の元バンドメイトのエEdward ‘Ski’ Harperや Dirty Money、DiE、The Smearのベテランたちと一緒に、High Visはそのエネルギーと強度を全く新しいものに変換しようとしたのである。
シーンメイトのChubby and the Gangがクラシックなドゥーワップからありそうもない音源を引っ張ってきたように、あるいはマイクロムーンがサイケデリアからメタルまであらゆるものをハイポテンシャルなミックスに組み合わせてきたように、ハイ・ヴィスの2019年のデビューアルバム『No Sense No Feeling』は、バンドがジャンルのルールや規則の感覚に決して縛られるつもりはないことを示したものだ。その閉所恐怖症的なガラガラ音は、影に潜むJoy Division、Bauhaus、Crisis、The Cure、Gang Of Fourの痕跡を産み出したのだ。2020年にリリースされたシンセサイザー主体のEP ‘Society Exists’ は、バンドの落ち着きのない創造的な手口をさらに証明するものであった。
High Visのセカンドアルバム ‘Blending’ では、これまで以上にファインダーを大きく開いている。FugaziやEcho and The Bunnymenといった長年愛されてきたバンドに加え、RideやFlock Of Seagullsといったバンドがこのアルバムの制作において参考にしたアーティストである。
オープニングの “Talk For Hours” のアンセミックな雰囲気から、タイトル曲のサイケデリックな渦巻き、”Fever Dream” のバギーなグルーブまで、High Visのサウンドは限りなく豊かなものに開花しています。”Shame” の霞がかったドリフトや “Trauma Bonds” のメロディックなジャングルは、未知の領域に踏み込んでいるが、No Sense No Feelingが傑出していたパワーと魅力は健在である。
リリックについても、このアルバムはさらなる飛躍を遂げている。貧困、階級政治、日常生活における挑戦について率直に語るセイルの歌詞は、常に、水位線より下に滑り落ちたイギリス中の下層階級や見捨てられた地域社会を扱ってきた。今回、Sayleはそのような社会的意識を失うことなく、自分自身と自分自身の心象風景を見つめ直し、その過程で、より普遍的で、人々に手を差し伸べ、最終的には希望のメッセージを与えるものを作り上げたのである。
