Akumen – Natural State EP

ロサンゼルスを拠点に活動するAkumenが、ブルックリン／ロンドンのFuture Signalからリリースした最新曲は、私たちの熱狂的な現代生活を振り返りながら、時代を超えたハウス・モチーフを彼独自の現代的なレンズで濾過し、質感と雰囲気のあるプロダクションで表現。

同世代のプロデューサー、Byron The AquariusとFortune SignalのD.D.Curryのアシストも加わった『Natural State EP』は、モダン・ハウス・ミュージックへの魅惑的な貢献。

スピード・ガレージにインスパイアされた “Let It Roll “は、スキップするハット、フィルターをかけたピアノ、チョップされたヴォーカル・サンプルでシーンを演出。スキッターするドラムは、コントロールを放棄する不安な感覚を映し出しますが、最終的にはたまらなく爽やかなグルーヴが勝利。

チャグチャグしたベースラインと催眠術のようなピアノのコードに支えられた表情豊かなグルーヴにロックされた「I Need You」は、ダンスフロアの幸福感を呼び起こします。クラブ・ミュージックへのラブレターとも言えるこの曲では、クランチーなシンセがクラシック・ハウスのサウンドとピアノのスタブと衝突。

内省的なタイトルが付けられたアルバムの中心曲 “My Natural State “は、人工的になりつつある私たちの存在について考察したもの。有機的な快適さを模倣するために、私たちがテクノロジーの代用品を使っているというアーティストの観察から導き出されたSF的なサンプルは、メランコリックで渋いアシッド・グルーヴの中に鎮座。

そこから “Timecrunch “は、繰り返される時計のようなしつこさで不安を煽ります。加圧されたドラム、303のベースライン、そして “come on “を促すヴォーカル・サンプル。

リミックス面では、アラバマのアストロハウス界の賢者であり、TALKNOI$EのレーベルボスでもあるByron The Aquariusが、オリジナルを彷彿とさせるキーと霞んだシロップのような雰囲気のレイヤーで再構築した「I Need You」に、魅惑的なダブの視点を提供。Fortune Signalの共同設立者であるD.D.カリーは「Timecrunch」にハイテンションなテイクを提供。

全体として、『Natural State EP』はハウス・ミュージックの礎を敬いながらも、新たな次元へと突き進み、クラブでの集団的なカタルシス、表現、探求の瞬間を提供する作品群。

『Natural State EP』は2024年5月3日にFortune Signalからリリース。