ARTIST : innerinnerlife
TITLE : IfOnly EP
LABEL : Mansions and Millions
RELEASE : 11/7/2025
GENRE : ambient, artpop, dreampop, downtempo, shoegaze
LOCATION : Gdynia, Poland
TRACKLISTING :
1. IfOnly
2. Linger On
3. Balmy (feat. Josephine Moriko)
4. Destroyer
5. It’s Everywhere (feat. dpe0)
6. IfOnly (reprise)
ポーランドのアーティスト、Tomasz Szpaderskiのプロジェクト、innerinnerlifeの新作EP『IfOnly』は、2000年代にスウェーデンのヨーテボリを中心に栄えたインディーポップシーンを彷彿とさせます。レコードレーベルのServiceやSincerely Yours、そしてThe Radio Dept.といったバンドを思い起こさせるサウンドですが、そのルーツはポーランドにあります。Szpaderskiの祖父母のキッチンで構想され、グディニャのホームスタジオで完成されたこの作品は、アナログとデジタルを自由に混ぜ合わせ、バンドが音をゆっくりと探求するような感覚を捉えています。
このEPは、単なる懐古的な音楽ではありません。2000年代の代表的な作品が「歴史後の快楽主義と革命的な熱狂」を追求したのに対し、『IfOnly』は情熱的な確信が薄れゆく現代、つまり私たち自身の時代に焦点を当てています。そして、このような時代をいかにして「開かれた心」で生き抜くかという問いに向き合っています。
トリップホップのリズムが特徴的な「Balmy」では、ストックホルムを拠点に活動するJosephine Morikoが「敗北を受け入れると約束する、それはご褒美」「温かさは弱さであり、温かさは喜び」と歌い上げます。ここで歌われる「温かさ」は、楽園のような心地よさではなく、気候変動によってもたらされた、ずっしりと重い熱を指しています。
しかし、この作品は深くロマンチックな音楽です。そこにあるのは、控えめでありながらもくじけない希望、失われたものを記憶に留めること、そして何よりも「可能性そのもの」への献身です。「If only」(?でさえあれば)という言葉は後悔を表すこともありますが、『IfOnly』が示すように、このシンプルな「if」が持つ約束――再び愛せるかもしれない、明日が今日とは違うかもしれないという希望を静かに、そして力強く再確認させてくれます。





