IMPSTRS – Crimson EP

アルバムの冒頭を飾るのは、かなり古典的なロックの構成を持つハードなオープニング・トラック「Trickle Down」。この曲は、富と個人の成長を混同した新自由主義的な言説を一般市民が鵜呑みにすることで、登場人物が狂信的な態度に陥っていく様子を描いたもの。Hyper Guruはバンドのプログレッシブ・ロックの側面を紹介。この曲は、人生に混乱し、倦怠感から逃れられるような全体化された信念体系、統一理論を探し求める人物の旅を追ったもの。親密さを求める気持ちと依存を恐れる気持ち、カップル内での個人的な充実を求める気持ちと世間での充実を求める気持ちの狭間で、別れる寸前のカップルのアンビバレンスを描いた「Nevertheless We Could」。リズムの特徴は、トラックの異なるセクション間で変化し、特にポリリズムのパッセージは、トラックをドライでサスペンデッドな終わりへと導く最後のスネアドラムのヒットまで、登場人物の綱引きをサポートしています。EPの最後を飾るPlastic Bluesは、3幕構成で7分のクレッシェンド。この曲のテーマは、人間の行動を常に適応させるよう命じられた現代人が、人間の輪郭がだんだんとはっきりしなくなり、うつ病にかかりやすくなる危険性をはらんだ可塑的な存在になっていくことにあります。