Foehn RecordsからリリースされるM TrainのEP『Listen, Take It In』に収録されている「Losing My Sleep」は、静止と運動の対比を鮮やかに描き出した一曲です。歌詞には、暗闇の中に長く留まりすぎたことによる焦燥感や、自らの声や眠りさえも失っていくような孤独な内面が綴られています。「野生の自然」と「孤独な街の工業地帯」という、車窓から眺める風景のような対照的なイメージが、かつて自ら築き上げた城の廃墟から逃れ、新たな刺激を求める切実な旅路を象徴しています。
本作の物語は、理屈の通る事実ではなく、未知の見知らぬ人や新たな遊戯を求める、より本能的で触知的な渇望へと向かっています。過去の残骸から埃を払い落とし、影を背負いながらも感情に従って進もうとするその姿は、まるで開閉を繰り返す電車のドアのように、終わりと始まりの境界線上に位置しています。自己喪失の恐怖と、それを振り切って前へ進もうとする意志が、吹き付ける風の感触とともにエモーショナルに表現されています。
