ARTIST : Chip Kinman
TITLE : Chip Kinman
LABEL : In The Red Records
RELEASE : 11/21/2025
GENRE : garage, indierock
LOCATION : Burbank, California
TRACKLISTING :
1. Brian
2. Que Voy a Hacer
3. Radio – TV – I’m In Love
4. So Young
5. Gonozo! FC
6. Goodbye Rock and Roll
7. Me and Tony
8. Drive Drive Drive
9. Nobody’s Son
10. Forever Shining
DilsやRank and Fileのメンバーとして知られる伝説的ミュージシャン、Chip Kinmanが放つ新作『Chip Kinman』は、2022年の野心的なクラウトロック作品『The Great Confrontation』から一転、彼がこれまで築き上げてきたキャリアの集大成ともいえる響きを湛えている。時にリズムボックス(Blackbird時代を彷彿とさせる)を駆使したサウンドは、彼の過去の足跡を想起させつつ、よりパーソナルな深みへと足を踏み入れている。
特にB面は白眉だ。亡き兄であり、長年の音楽的パートナーでもあったTony Kinmanに捧げられた「Me and Tony」は、70年代のLou Reed(『Coney Island Baby』の頃の温かみのある質感)を思わせる親密さに満ちている。そしてアルバムを締めくくる「Forever Shining」は、かつてJim DickinsonがAlex Chiltonと共に創り上げたような、儚くも美しいエーテル状の空気を纏っている。
批評家Ryan Leach(Bored Out)が語るように、Lou ReedやJim Dickinsonといった重厚なリファレンスを引き合いに出すに値するほど、本作のクオリティは極めて高い。前作のような実験精神と、今作が持つエモーショナルな物語性が交錯するChip Kinmanの現在地は、パンク・ロックの枠を超えて正当に評価されるべき輝きを放っている。





