ARTIST : Tristan Perich & James McVinnie
TITLE : Infinity Gradient
LABEL : Erased Tapes
RELEASE : 11/21/2025
GENRE : ambient, classical, experimental, minimal
LOCATION : New York, New York
TRACKLISTING :
1. Infinity Gradient: Opening
2. Infinity Gradient: Section 1
3. Infinity Gradient: Section 2
4. Infinity Gradient: Section 3
5. Infinity Gradient: Section 4
6. Infinity Gradient: Section 5
7. Infinity Gradient: Section 6
8. Infinity Gradient: Section 7
ニューヨークの現代クラシック作曲家 Tristan Perich は、オルガン奏者の James McVinnie の提案を受け、パイプオルガンという何世紀も響き渡ってきた「楽器の王」と、彼自身の代名詞である1-bit電子音楽を融合させる可能性を追求しました。2016年に始まった二人の会話から生まれたこの作品は、間違いなく Perich のこれまでで最も野心的な作品です。
アルバムに収録された『Infinity Gradient』は、オルガンと1-bitオーディオの100個のスピーカーのための1時間に及ぶ7楽章の交響曲で、McVinnie が2024年にアーティスト・イン・レジデンスを務めたロンドンの Royal Festival Hall (RFH) で録音されました。この100個のスピーカー(巨大サブウーファー4基、中型スピーカー24基、小型スピーカー72基)は、RFHの荘厳なオルガンを背景にステージ上に設置されており、視覚的にも聴覚的にも印象的な作品です。
『Infinity Gradient』は、構想において数千年隔てられた二つの楽器によるデュエットであり、ダイナミズムに満ちています。Perich は、「オルガンと1-bit電子音響の両方が可能とする生々しい美しさと、広大なサウンドスペクトルが、この作品の本質だ」と語っています。彼は、音楽が聴覚だけでなく触覚でも感じられるような、低くザラザラした音の抗いがたい内臓に響く性質を重視しています。
このプロジェクトのアイデアは、McVinnie が2016年にラトビアで Perich の先行作品『Surface Image』(ピアノと40スピーカーのための1時間作品)を聴いたことから始まりました。Philip Glass から Squarepusher までと共演してきたオルガン奏者の McVinnie は、パイプオルガンが「鍵盤を押すと空気がパイプに入り、音が鳴る。鍵盤を離すまで音の減衰や変化がない」という性質が、Perich のバイナリパルスによって音を作り出す1-bit電子音響の哲学と直接的に相関していることに気づきました。この共有された「オン-オフの二進法的要素」が、作品の感情的な核と結びつき、「その複雑なテクノロジーにもかかわらず、『Infinity Gradient』の体験は最高に人間的なものだ」と McVinnie は述べています。
作品の頂点である「Section 6」では、上昇感が全面に現れ、Perich がプロジェクト全体の独創的な核だと説明する瞬間を迎えます。この驚くべきピッチベンドのグリッサンドを実現するために、彼はカスタム電子機器の完全な再プログラミングに数ヶ月を費やしました。
Perich の創作手法は、「数学、物理学、コードの美学的な単純さ」と Steve Reich のようなレイヤーを組み合わせることにあり、その目的を果たすには「感情的なレベルで人間と繋がる必要がある」としています。「私の音楽は、感情的な要素があって初めて成功する」と彼は語り、リンゴが木から落ちる現象など、非常に単純なことから美しさを見出すことにこそ、この音楽の目的があると示唆しています。




