Youniss – Good Effort!

ARTIST : Youniss
TITLE : Good Effort!
LABEL :
RELEASE : 3/18/2026
GENRE : ,
LOCATION : Antwerp, Belgium

TRACKLISTING :
1. At The Still Point Of The Turning World
2. Gits Worse (feat. Petite Noir)
3. Notice
4. Glass Ceilings
5. TakeThat (feat. Pink Siifu)
6. Open To Interpretation (feat. Quelle Chris & Porcelain id)
7. Birds (real) (feat. Ashden & Amani)
8. Found Footage (feat. Dienne)
9. The Sun Is Falling! (feat. Seigfried Komidashi)
10. Kill The Light
11. Roof Collapses
12. Why Don’t You?

Italo Calvino はかつて、自身の代表作『見えない都市』について「多面体のような構造を持ち、すべての辺に沿って結論が書かれている」と評しました。Youniss の最新作『Good Effort!』も同様に、都市生活の経験をジャズ、ポストパンク、実験的ヒップホップの色で彩られた音のフラクタルへと散りばめる万華鏡のような作品です。Calvino が抽象的な概念を綴ったのに対し、Youniss は都市に「ただ居ること」と「そこで生きること」の乖離に焦点を当て、より良い未来を信じるがゆえの鋭い批判を込めて、都市生活の具体的で困難な日常を地続きの物語として描き出しています。

理想的な都市がそうであるように、本作は個々の有機的な相互作用の集大成でもあります。Dienne や Porcelain Id といったベルギーのアンダーグラウンド・シーンの奇才から、Pink Siifu、Petite Noir、Quelle Chris といった国際的な大物までが参加し、多層的な対話が繰り広げられます。「自分一人でこの街に住んでいるわけではないからこそ、多くの客演を招き、自分以外の視点を取り入れたかった」と彼は語ります。楽曲には、アントウェルペン郊外で育ち、14歳の時に叔父の家の屋根修理を手伝った記憶など、彼自身の原風景も刻み込まれています。

音楽面では、ギター、ベース、ドラムがよりダイナミックに躍動する一方で、Youniss は自身の歌声の全域を探索し、批評性を保ちつつも温かみのあるサウンドへと進化を遂げました。Pink Siifu との熱狂的な掛け合いが光る「TakeThat」から、Dienne のクラリネットが映画的な情景を描く「Found Footage」、そして Black Country, New Road と Cities Aviv を彷彿とさせるホーンが印象的な「Open To Interpretation」まで、その振れ幅は広大です。本作の根底には、彼が住むアントウェルペンの多文化地域におけるジェントリフィケーション(都市の富裕化)への問題意識があり、「権力を持たない者の行動は単なる『Good Effort(よく頑張ったね)』で片付けられがちだが、それでも声を上げ、試み続けるべきだ」という切実な希望が込められています。