Pure X – “Things in My Head”

むむ、これは同じバンドなんだろうか? テキサスのドリーム・サイケ・プロジェクト Pure X が新曲 “Things in My Head” をアップしたのですが、ツイッターでは今までのツイートは全て削除され、新たに facebook が用意されて、上のアー写です。そして今までよりもフォーク色が強まり、エレクトリック感は後退。リリースは Acephale Records と Merok と、いままでと変らず、新作アルバム Stairs が 5/14 にリリースされるようです。

Brokeback – ‘Brokeback and the Black Rock’ (Thrill Jockey)

家の近くにある幼稚園から聞こえてるラジオ体操の音に合わせて、その向かいの工事現場のおっちゃんが一緒に体を動かしている。でも体を動かしているというだけで、まったく体操にはなっていない。自分でも最初から最後までちゃんと出来る気はしないが、おっちゃんはただ揺れているだけと言った方が正確かもしれない。大丈夫さ、ラジオ体操は出来なくても、この演歌を聞いてみてよ、きっと気に入ると思うよ。って、演歌じゃねえか、まじでこれ。シカゴ界隈の古株ギタリスト中心によるお馴染み Brokeback の10年ぶりになる Brokeback and the Black Rock は、誰でもいいが着物のおばんちゃん歌手の横で伴層している口ひげをはやしたアコギのおっちゃんが弾くような曲で始まる。頭のなかで過去の Brokeback と重ね合わせて聴いているがもう違うね、もはやムード歌謡とも言えるような内容で、かなり侘びってる。アコギの次はエレキギターで小節を回したうねる演奏で、だいぶ自分の世界に入っちゃってるんです。これもここ最近の Thrill Jockey の流れに沿ったようなサイケデリック節になっていて、たまに昔のようにシカゴ的アンサンブルが聴けるものもあるけど、やっぱりこれはもはやポストロックじゃなくて、ポスト-演歌。じいさん達に分かりずらかったら「ダグラス・マッコブスのギター演歌ベスト」とかいって売ったらいいとおもう。

7.0/10

Boduf Songs – ‘Burnt Up on Re-Entry’ (Southern)

最近なんか Kranky がらみの人達が色んな方面で活躍していますよね。ハウスに向うものも入れば、ロック・バンドへ向う人、そして今まで通りサイケでアンビエントな路線のままのひとと、色々ですが、この Boduf Songs こと Mathew Sweet は、自分の音をずっと積み重ねてきた感じでした。そして、3年ぶりの Burnt Up on Re-Entry も今までからの延長にはあるものであるが、少し飛躍した印象。どう違うかと言うと、結構なヘヴィネス。全体を支配するのは今までのようなダークなサイケフォーク路線ですが、エレクトロニクスを混ぜつつも、轟音的ギターを混ぜたりと、なかなかの変わり身。暗さの中にもじわじわと心臓に入り込んでくるメロディが彼の特徴だったと思うのですが、それらがグオ〜んって鳴り出すギターと混ざると侵入度は尋常でない。ポストロックなどにありがちなエピックに盛り上がる感じでなく、もっと、どんより下の方に落とし込んでくる感じかな。でも全ての曲が轟音系ではなく、エレクトロニクスとダークロックが基本になっていて、断片の雰囲気はそんなに目新しいものではないけど、なんか絶妙感があって、うまいことつけ込まれた感じです。

8.0/10

Maston – “Messages”

[vimeo http://www.vimeo.com/57812100 w=640&h=360]

サウス・カルフォルニアのサイケポップ・アーティスト Maston による デビュー・アルバム Shadows からのビデオ “Messages” です。アルバムはもう間もなく Trouble In Mind Records からリリース。

Night Beds – ‘Country Sleep’ (Dead Oceans)

ファミレスでちょいと作業をしていると後ろの席には若いカップルが座った。どうも彼女は機嫌が悪いようだ。彼氏が盛り上げようと必死になっている。「ほらあ、この頃の笑顔を思い出してよ〜」と、たぶん携帯の思いで写真を見せているよう。その甲斐あって彼女の機嫌も徐々に回復してきたようだ。その後、互いの似顔絵を書いて楽しんでいるが、彼女が書いた似顔絵が気に食わなかったのか、今度は彼氏が無言になりだした。どんな絵だったか分からないが、「似てるじゃ〜ん」と笑ってるこの彼女はなかなかの難物だ。ナンブツ、ナイベツ、ナイトベッツ。。無理がありますな、でも Night Beds です。ナッシュヴィルの Winston Yellen によるソロアーティストでこれがデビュー作。唄が中心にある場合、そこに付随する楽曲もひとつの個性になるが、彼の場合色々とやってるようであるが、方向は見えている。つまり、ロック、フォーク、カントリー、ジャズ、クラシックとかが、綺麗な感じでまとまっている。オルタナ系ソングライターの作品ではこのパターンが結構多いと思う。特にこのレーベル周辺に強く感じるもの。歌がうまいのは分かります。本人は立派な自分の音楽を作ったと思ってるかもしれないけど、さっきの彼女に言わせたら「にてるじゃ〜ん」ってね。

5.0/10

Ekin Fil – “Anything Anywhere” +

イスタンブール出身の女性アーティスト Ekin Üzeltüzenci によるソロ・プロジェクト Ekin Fil の新曲が幾つかアップされています。2011年に Root Strata からカセット Language をリリースしていたので知ってる方もおられるでしょう。こちらの曲達は、間もなくリリースされるアルバムからの音源だそうで、 Grouper や Jessica Bailiff が好みの方にも受入れられそうなドローン・フォーク・ソング。セルフ・タイトルのアルバムは、リリース時期は未確認ですが、Student Of Decay からリリースされます。

Alasdair Roberts & Friends – ‘A Wonder Working Stone’ (Drag City)

日本における伝統的な音楽となると、雅楽や能楽などになるかもしれないけど、それはさすがに行き過ぎかもしれないので、のど自慢でも唄われるようなものとしたら、演歌はまだ新しすぎるから民謡になるのかな。スコットランドにおける民謡がケルト音楽に当てはまるか分かりませんが、もし同じように考えるとしたら、日本の民謡は今のロックやフォークにしろ、あまり引用されることはないから、特殊なものなのかもね。一方、ケルト音楽は現代の様々なアーティストが取り入れている。そして、この Alasdair Roberts はずっとそのスタイルを保ち、かれこれ10年以上の活動歴になりました。前作から名義を “& Friends” と、律儀なものにしておりますが、それ以前もゲスト・ミュージシャンはいたし、前作からもメンバーが少し異なるのでなんなんでしょうね、寂しいのかな。彼の書く曲は、伝統的な要素を重んじながらも、オルタナ系フォークの雰囲気がある。それは初期からそうで、その感じがうまく混ざり合っていてるからただのトラッド・ミュージックになっていないから、先天的に郷愁をそそられる。ずっとこのような音楽をやっていれば、聴いている側も、あれ、これって昔のアルバムにあった曲じゃない? っていうこともあるかもしれませんが、たぶんケルト民謡を継承する事が第一前提だとしたら、それは当たり前なんですけどね。

7.0/10

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