Nic T – The Saint

洗練されたオルタナティヴ・フォークとジャズの自発性、そして実験的なソングライティングの中間に位置する「The Saint」は、イタリア・ヴィチェンツァ出身のミュージシャン、Nic Tのデビュー・アルバム。

ストリーミング、デジタル・ダウンロード、そして本人によるアートワークが施された12インチ限定盤で入手可能なこのデビュー・アルバムは、膨大な英語のソングライティングの海の中で自分の声を見つけるために、15年以上にわたる熱心な研究の末に生まれたもの。

対位法や型にはまらない音色の組み合わせで奏でられる豊かで多彩なアレンジは、声と絡み合い対話するメロディラインやハーモニックな進行を中心に展開、
シンガーを限界まで押し上げるような複数の音域を使うこともしばしば。

Elliot Smithのようなバラードから、Sonic YouthやPavementのような音の斜め上、Beckのような風変わりで洗練された瞬間、そしてRobert WyattやKevin Ayersのようなイギリスのサイケ・フォーク・トラバドールの叙情的な力まで。

Nic Tの曲は、形式と構造を最大限に開放した自発性と自由な感覚に依存しています。このシンガー・ソングライターは、レコーディング・プロセスと完全に重なる創造的なプロセスを用いており、自然発生的な演奏が、不完全さや時折周囲の雑音に「汚染」されることによって呼び起こすことのできる信憑性の感覚を追求しています。
行為。