Giraffage – ‘Needs’ (Alpha Pup)

サンフランシスコのビート・プロデューサー Charlie Yin による Giraffage のミックステープ NeedsAlpha Pup 経由でリリースされました。メロディックなシンセにサンプリングなどによるチルウェーヴ、ベース、トラップ。フリー・ダウンロードはこちら

Greg Boring – ‘Fine Find Fined’ (Critical Height)

家を出て自転車で目的地に向おうとしたら、パンクしていることに気付き、時間もないので緊急で電車移動をすることにした。目的地までの最短ルートは近くを走る2両編成の路面電車風なやつを使わなければならず、初めて乗ることになった。無人駅なのでどうやって乗るかなあと思ったら、車内にパスモを通すマシーンが設置されているのね。路線内は一律料金だから分りやすい。ちんたらしたスピードで歩行者と同じように信号待ちをしながら走る感じは、急いでる自分にいい意味で諦めを与えてくれる。そして、こちらの音楽もかなりの諦めが感じられる。いや、諦め以前に成立していない。メンバーは4名いるらしいが、独りでやっても有り余るような音楽。それぞれが好き勝手に音を出してるだけで、セッションをしているような感じもしない。この女の人のヴォーカルがなければどこを聞いていいのか分からなくなりそう。不協和音なんて決して言えるのもではなくて、ぜんぶズレている。このひとたち、どこの基準で一曲できたと判断するのだろう。理解に苦しむ。そうはいっても、毎週ひとつ、ふたつ、こういう音楽があるよね。以前も似たようなこといいましたが、だれしもが通過しなければならない道ではない。

6.5/10

Wildarms – ‘Clear Eyes’ (Cascine)

エレクトリック・ポップ・レーベル Cascine が新たに送り出すアーティスト Wildrms は、ブルックリンを拠点にするプロデューサーでフィルムメイカーでもある Duncan Cooper によるソロ・プロジェクト。このレーベルらしいドリーミーなメロディとダウンテンポなエレクトリック・サウンドで、基本はインストもの。チルウェーヴやベース、エレクトロニカの要素が混ざった感じです。

Young Adults’ ‘House Slippers’ (Preview Mix)

素敵なエレクトリック/ビート・サウンドをリリースするロスアンジェルスを拠点とする Friends of Friends のハウス部門の姉妹レーベル Young Adults から 4/23 に新作コンピレーション House Slippers がリリースされますが、そのプレヴュー・ミックスがアップされました。メロディックでポップ・テイストなハウス・トラックで、トラックリストは以下になります。

1. Satin Jackets – You Make Me Feel Good
2. Suzanne Kraft – Maybe Snakes (Permanent Vacation Remix)
3. Dan Croll – From Nowhere (Ben Gomori’s Staring You In The Eye Remix)
4. Crazy P – Heartbreaker
5. Ben La Desh – 27 Degrees
6. Chasing Kurt – In The Air (Raw Cut)
7. Mario Basanov – Damn Girl
8. Hot Chip – How Do You Do? (Todd Terje Remix)

DJ Dog Dick – ‘Identity EP’ (Hoss)

こちらのしょうもない名前のアーティスト DJ Dog Dick は、Sewn Leather と一緒に Dog Leather をやっていた人と言えば、知ってる人もいるでしょう。今年 HOSS Records からアルバムのリリースが予定になっていますが、その前にEP がリリースされました。ヒップホップというほどのラップでもない、ドープ・エレクトロニック。フリーダウロードです。

Shigeto – ‘Beats 4 Dilla’

Ghostly からリリースするビート・プロデュサー Shigeto が、J Dilla に捧げるトラック集をアップ致しました。これらの曲はコラボレイターと1時間かそれ以内で全部作ったらしく、J Dilla の精神を受け継いだようなラフでロウなもの。コラボレイターには Max Mool や Devonwho などが含まれます。フリー・ダウンロードです。

JODY – “Echos”

この JODY とは6人による R&Bグループで、シカゴのダーク・ビート・プロデュサー・コンビ The-Drum と David Robertson, Khallee Standberry-Lois, James King (The GTW) そして Cole Jonson (aka Whi’lo) による編成です。こちらの曲は彼等のファースト・トラックでアルバムも出るようです。また、The-Drum は、Audraglint から彼等自身のアルバムも控えています。

Autechre – ‘Exai’ (Warp)

彼等の作品でどれをベストとするかは人それぞれだと思うけど、個人的には EP7, LP5 の頃が一番好き。とはいえ、その作品からしてみても10年以上経っている。その間、基本的に Autechre のサウンドは大きな変化はなかったと思う。そして、今作の Exai にしても同じことが言えるでしょう。グリッチという言い方がもてはやされた時の感覚は今作も有効で、ヘッドフォンで聴いていれば、その感触は痛いというほど伝わってくる。まさにこの痛いくらいの鋭利な音色は、ここ最近の音楽の流れにあってはかなり珍しい方かもしれない。Exai の仕上がりに特徴を挙げるとしたら、かなり音重視で、メロディックな雰囲気は少なく、コリコリしたビートが目立つし、インダストリアルな雰囲気が強い。BPM的なものとしては前半はテクノ周辺のものが多く、中盤はヒップホップなもの、そして後半はブレイクコアとか複雑系、そしてダブステップではないけど間のある難解系と分けてきているように思える。全体を通して、特に新しいことあまりないんですけど、硬派で音はシャープな仕上がりかな。それともうひとつ、CDで2枚組、LPで4枚組ですからね、とにかく長い!

7.0/10