Purling Hiss – ‘Water on Mars’ (Drag City)

Water on Mars

Nirvana と Dinosaur Jr. そして Mudhoney に Royal Trax が混ざったような曲 “Lolita” で始まるこのアルバム。続く曲は、Lemonheads に Teenage Funclub、そして Vaselins 風と、グランジ世代にはたまらない音であるんですけど、これは一体どうした。でも改めて感じるのは当時のものに比べて音質が良くなったよね。それらのオリジナル盤をたまに聴くと、音量が単純に小っちぇえなあと思うのが少なくなくて、 最近はリマスタリングものが多く出てるけど、それなりに意味があるんだなあと思わされる。そういえば、今日、その世代のおっさん達が集まってDJをしているイベントがあって、行こうかなあと思ったけど、雨がすげえし、これ聴いていたらいいかなと思ってしまった。どんな時代の音楽にも過去のものからの影響が少なからずあるわけで、そういう古い音楽を聴くのも大切なのかもしれないけど、新しいのを聴いている方が楽しいかな。だって、このアルバムのようなものに出会えるわけですから。先に挙げたバンド以外の影響ももちろんあって、その挙げたバンド達がさらに影響を受けたような古い要素も同時に存在する。遡っていけばキリはないけど、そういうのを全部ひっくるめて有り余る魅力があるのがこの Purling Hiss です。グランジっぽい部分が強調されてしまったけど実際はガレージやサイケロックが基本であり、Kurt Vile に共通するもっとソングライター的な要素がこのバンドの核であります。そして過去の作品から比べても、バンドとして唄と楽曲との相互作用が成熟したものになっている。色んなバンド名を出しましたが、詰まるところこの音楽は、Purling Hiss にしかないもので、この先、Purling Hiss が誰かに影響を与えることが絶対にあるでしょう。

8.5/10

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