Modest Mouse – Strangers To Ourselves (Epic)

宣言通り、兄の結婚式は大多数の来賓客で埋め尽くされていた。結婚式って身内にとっては逆に肩身が狭いっていうか、あんまり居心地が良いものではない。よくある段取りで事が進めば進むほど、何を見ていたらよいものかと。ただ、そんな戸惑いの時間を心配するまでもなく、知人や親類達への挨拶周りであっという間に時間が過ぎていく。しかし突然、お気に入りのエグザエルに合わせて大勢の前で兄が踊り出した。色んなダメージを受けての帰りの新幹線は、寝ることなく放心状態のままあっという間に着いてしまった。そんなこんなで心底疲れたようで、先週はなんにも出来ませんでしたが、今週は落ち着きを取り戻すためにもこちらのレビューで再開です。メジャー入りしてから15年も経っているけど、未だに違和感というか、彼等とBuilt To Spillがずっとメジャーでやり続けているのが不思議でならない。アメリカと日本との温度差の問題かもしれないけど、どんなポジションなんだろう。まぁそれはそれとして、こうやって久々のModest Mouseを楽しみましょう、って思うけど、聴いてる途中から、昔のが聴きたくなってる自分がいる。あんまり良い事じゃないとは思うけど、兄のイグザイル・ソウルみたいなもんで、僕のモデストマウス・ソウルは、とうの昔に出来上がっちゃってるんです。 5.5 

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Dan Deacon – Gliss Riffer (Domino)

電車通勤をし始めると、世の中のことが分ってくる。知らなかったのだけど、ルーズソックスってまた流行ってるんですね。中学生が車中で一生懸命ルーズな位置を調整してて、とても目障りでした。っていうかそんなに直していたら、全然ルーズじゃねえし。おれなんかいつだってナチュラルにルーズソックスだ。しかし、なんでみんなして一緒のことをやるか不思議なもんです。 このおっさんの腹ルーズ具合も相変わらず。相変わらずなのは音楽も最初の頃から変っていない。少々リズムの組み方がオシャレにったり、力任せな感じでもないけど、いつも通りのシンセ・フレーズ。3年ぶりだし、もっと変化があるのかなあと期待していましたが、意外と頑固なんです。でもなんだかんだでグイッと持ってかれるんだよね。それでもゲスト・ヴォーカル等を入れた系か、後半のミニマル路線のどっちかに絞っても面白かったかも。 6.0 

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North Highlands – North Highlands (North Highlands)

久々に格安中華チェーン店に行き、席に着くとメニューが新しくなっていた。ふむふむと眺めていると、その店には似合わない声のホール担当の女の子がいることに気付く。大体こういう場所では、国外出身の方が多いが、どう考えてもナチュラルな日本語。しかも、アニメかアイドル風な鼻にかかったハイトーン・ヴォーカルもとい、声質。そしてオーダーをしようとボタンを押し、女の子がやってくると、すらっとした可愛らしい子で、本当にアイドルみたいな感じ。なんかのテレビ企画かって疑うくらい、この場に似合わない。まだ研修期間のようだが、このまま続けていたら地元ではちょっとした話題になりそう。 こちらの方々もアイドルではないが、なんでこんな感じなの。きっとちゃんとしたレーベルから出せるくらいのものはあるのに、セルフでやっています。まぁ、どこかに所属するより自分たちで完結した方が巧くいけば儲かる。このしなやか、なめらかな音楽の裏には、そんな計算があるのかって思うけど、実際はそんなことはないでしょう。もっと色んな人に聴いてもらえるような方法を考えましょう。もったいないですから。 7.0 

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Chandos – Rats In Your Bed (Carpark)

久々にライブっていうか、そいういう現場を味わえる機会を頂き行ってきた。バンドの生演奏を観るよりも、場所の空気みたいのを感じられただけで、ちょっと楽しかった。だけど、ロックなイベントにDJっていらないでしょ。ただただうるさかったわあ。まぁやってもいいけど、音量もう少し落とすか、せめてハイとミドルは抑えてくれ。ただのノイズでしかなかったよ。 このレーベルもライブとDJ向けの二面性がすっかり定着しましたね。こちらはライブ部門担当として唐突に現れましたが、近頃のオルタナ聖地ボストン出身でこの音ってことで、まさに旬なやつ。ちょっとした違いはあるけど、誰が聴いてもCloud Nothings以降ってことは分ると思いますが、追随するバンドが出てくるのは盛り上がってる証拠で悪いことではない。似たような音をやるバンドの真の評価は次作ですね。 5.5 

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Alasdair Roberts – Alasdair Roberts (Drag City)

昼に食べたご飯が重かったようで、なかなかお腹が空かず遅めの夕飯となってしまった。スーパーや定食屋も閉まってる。チェーン店系やラーメンは避けたいなあと思って歩いていると、たまに行っていた中華屋がまだやっていた。ここに来たら餃子&味噌ラーメン・コースか、カレーライスと決めているので今日は迷わずカレーライス。ただここのカレーライスを食ったら、腹がパンパンになるのがお決まりなので、デブ覚悟で挑むしかない。何故かというと、ルーの中にジャガイモが細かく刷り込んであってドロドロなんです。それ以外の具は豚バラが少々入ってるのみ。カレーライスというよりは、カレー味のジャガイモで米を食う感じ。食い終わればお決まりの後悔だが、それも含めての安定感。 さてこの方も相当の安定感。最初のアルバムから数えて16年で8枚ってことは、2年に1枚ペースでやってきていることになりますね。そして、このタイミングでのセルフタイトル。つまり、シンプルにAlasdair Robertsを表現した作品で、まぁ、ここ最近はコラボやバンド演奏ものが続いたので、もう一度リセットしたかったんでしょうね。ってことでこれ以上ない安定感。 7.5 

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The Body And Thou – You, Whom I Have Always Hated (Thrill Jockey)

朝、色々とやってるうちに家を出る時間が遅くなってしまったので、駅まで自転車で行くことにした。いつしか有料駐輪は当たり前の時代になりましたが、まぁ仕方ないので空いてるところにサッと突っ込み改札へと向う。仕事を終え戻ってきて、さて幾らかなって精算機を確認すると400円。ええ〜って思って価格表を確認すると最初の2時間は無料でその後は2時間置きに100円ってことだった。よく見るとすぐ近くに違う精算機が付いたコーナーがあって、そっちを見ると8時間まで100円、その後は100円ってことで、こっちにしとけば半分だったわけ。2度とチャリは使うまいと心に決めた。 この人達も2倍の料金なんかね。昨年のEPがいい感じだったようで、今度はアルバムで共演作を出してきた。2+5だから7人もいる計算になりますが、それを感じさせないってことは、こんな音やりながらも実は思慮深いってこと。でも、だったらメンバー何人かの別ユニットで良かったような気がするが、仲が良いのですね。まぁ一緒にやるのもいいんですが、本来のそれぞれをちゃんと聴きたいんだけどなあ。 6.5 

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Jessica Pratt – On Your Own Love Again (Drag City)

仕事中に緊急の知らせが入った。いま、家の前の木に猛禽がいる!とのこと。猛禽って昼間にフクロウじゃないし、タカなんて都内の庭にいる訳ないだろうと続報を待っていると、どうやらツミらしいと画像と一緒に送られてきた。ツミとは日本に生息する猛禽類でも最も小さい種で、漢字で雀鷹と書くようにその小ささは際立っている。小さいからといってもそこは肉食。送られてきた画像にはハトかヒヨドリか判らないが、足でしっかり捕まえ啄んでいた。調べると徐々に都市部でも見られるようになっているそうですが、実際にいることを確認出来るなんてちょっとした奇跡。 小さくても秘めた力強さっていう意味ではこの女性も通ずるところがある。今回から親レーベルに昇格してのリリースとなりました。全曲アコギと歌だけで作られており、自宅で2年かけて作ったそう。歌の部分を幾つか重ねていて、ギターと歌という最小限の音数でありながらも、シンプルさを感じさせない。それはこの特徴的な歌声がそうさせていて、本当に不思議な声。ある意味凄く実験的なフォークです。 8.0 

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The Decemberists – What a Terrible World, What a Beautiful World (Capitol/Rough Trade)

兄が結婚することになった。その知らせはいきなりラインでやってきた。結婚式をするから当日は空けておくようにと。そして年を開けると招待状が正式に届いた。なんか身内なのに回りくどいっていうか、普通送ってくるものなの?っていうか、最初の知らせで土曜日だからなって書いてあったけど、招待状見たら日曜日じゃねえか。よく分からないが、返信ハガキの書き方をググって、調べたサイトのまま書いて投函。すると数日後またラインで、当日は朝早いから前乗りで来れるかときた。朝早いって何時なんかなあ、と思ったまま、返信をしていない。まぁ、仕方ないから早めに行ってやるか。 ってことで、ちょいお祝い感のある音楽でも聴きましょうって思ったけど、聞こえてくる音楽は華やかな感じもあるが、全体的にはもの哀しくて、実際のところアルバムのタイトルはシリアスなものでした。曲に込められたものを理解していれば、聞こえてくる音楽への印象がもっと変わるかも知れないが、歌詞がよくわからないに身としては、この作品全てを理解出来ていないのかも。でも、ある意味そのおかげで、洋楽という音楽に触れることの出来る貴重な存在でいられるわけです。ただ、それではやっぱ不十分だし、それを補う意味での歌詞カード付き国内盤だとしたら有用だけど、まあ出るわけないか。 7.0 

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Sleater Kinney – No Cities To Love (Sub Pop)

通勤用の最寄り駅、つまり本来はもっと近い駅があるんですが、利便性を考えて少し遠いところまで歩いているのですが、そのルートには超有名ファスト・ファッション社長邸がある。城並みの石垣の奥には、打ちっぱなしゴルフ施設がそびえ立つ。まぁあその辺りは他にも豪邸が立ち並ぶ地域で、そうなると無駄な木々が茂っており、有り難いことにちょっとした野鳥スポットになってるのです。都内でも良く見られる野生化したインコのワカケホンセイインコに頻繁に遭遇するが、今日も遠くから、お、またいるなって思ったら鳴き声が違う。あれはオナガだ!と、ちょっといい気分。まぁ、実家に居た頃は普通に庭で見れたけど、都心で見れるとなんか嬉しい。 さてこちらも少し前なら普通に活動してた人達ですが、久々に3名勢揃い。なんだろ、時代が流れた結果、彼女達って言ったら怒られるのかもしれないけど、だいぶ音楽に真摯な感じです。単純に更に巧くなってるせいかもしれないが、音楽として上がってる。ライオットガールとかフェミニズムとか、そういうのを無しで聴けると思うし、彼女達もその辺のことはどうでも良くなってるのかなあって思うっていうか、そう思いたいし、音楽なんてそれ以外の部分はどうでもいいんですよ。まあ、ちょっとディスコっぽいのはなくても良かったけど。 7.5 

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Siskiyou – Nervous (Constellation)

パソコンにせよ、電化製品にせよ、最近のものは相当高いクオリティにあると思うが、果たしてそれらの機能を使いこなせてるかというと、半分も満たないと思う。先日も、タブレットから直接印刷って出来ないのかねえ、と調べたら簡単に出来た。もちろんプリンター側の機能にもよるが、ドライバーをインストールしてないのにあっさりプリントしちゃうからビックリ。ただ、タブレットだと細かい設定が出来ないようで、写真としてプリントされてしまい変なことに。結局はノート経由でやり直しましたが、昔に比べたら超簡単。便利さを得るには、スキルとかリテラシーとかも重要ですが、それ以前に妄想が大切なんだと、改めて実感しました。 さてこちらの作品もちょっと前に覚えた方法の、外付けディスクのプレイヤーから聴くと致しましょう。このレーベルにしてはある意味まともな音をやる人達ですが、元々メジャー活動をしていた人物がいるのでそれが影響しているのでしょう。でも、これまでのものと比べると木枯らし哀愁路線へと向ってて、徐々にレーベル色に染まってきた気もするけど、やっぱり整った音になってる。このレーベルの作品を期待して聴く側としては、まだちょっと違うんだよなあ。 4.0 



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