Benoit Pioulard – “Hymnal” (Kranky)

先日の暖かさと強風で、花粉症に酷くやられてノドも痛いなあの思っていたら、そちらはどうやら普通に風邪だったようでした。熱もしっかりで出てくたばっておりました。いやぁ、油断してたなあ、気をつけよう。そんなこんなで熱が出ると思考回路も全く働かずになんも出来なくなっておりました。だから病み上がりなんでお手柔らかに。本名と思わせて実は違うソロ・アーティストって結構おりますが、このひともそのパターン。いわゆる芸名っていうやつですね。小さい頃大好きだった野口五郎はほんとは佐藤 靖っていうんですよ。小学校のとき同級生だった友達の兄ちゃんの名前と一緒で、すごく憶えているんです。因に新御三家の西城 秀樹 は 木本 龍雄、郷 ひろみは原武 裕美です。って考えると、他のふたりに比べるとなぜにわざわざ五郎なんてダサイ名前にしたのか調べてみたら、彼の出身地である岐阜の飛騨山脈にある野口五郎岳から由来しているそうって、相撲取りみたいだな。Benoit Pioulard はなにに由来しているか分かりませんが、もっとカッコイイ意味があるんだろう。一作品を他レーベルから挟み、Kranky から再び登場となったわけですが、もうひとつその間に Morr Music から出ていた Orcas としてのデュオ作があったりと、定期的なリリースは実は続けていましが、なんとなく久々感があります。でも基本路線は変らずにフォークとアンビエンスがこの作品でも鳴っている。彼の音楽の好きな点は、多分ヴォーカルであり、その声質とも言える。もし、もっと感情的であったり、渋めの声であったら、なんか違う。全体的に暗さが存在しているなかでの、ちょっとアーバンというか、か細い声質で歌われる感じが合ってるんですね、音楽と。後ろ側では実験的なものをやってるかもしれないが、この音楽にはこの声がないと始まらない。だから、唄無しのインスト・ドローンは、そんなに求めていないから、なくてもいんです。これはヴォーカルが入る曲、そうでない曲との区別がハッキリしている構成なんですね。最初の曲みたいに、ドローンの上でも唄うのを聴いてみたいんですよ。でもシンガーソングライターとしての作品という意味では成立していますよ。ちなみに、本名は Thomas Meluch っていいます。

6.5/10