Reigns – Dead Centre

ミュージシャンのTIM FARTHING（Hey Colossus、Henry Blacker、PJ Harvey）が4年の歳月をかけて完成させたホラー小説であり、謎めいたエレクトロニック・デュオ、Reignsの7枚目のアルバムでもある『DEAD CENTRE』。ハードカバーの本にはCDサウンドトラックが付属。

小説について クリスマス・イヴ、ケンプはホームレス、病気、自殺願望。別居中の娘に会うための最後の巡礼の旅は、自殺を図るも失敗し、休日のために閉鎖されたショッピングセンター内に誤って収監されるという結末に。誰もいないショッピング・センターを自由に使えるようになった彼は、ようやく自分の船が入ってきたと思い、早速最後の酒宴に突入。しかし、日が経ち、頭の中が整理されるにつれ、ケンプは何かがおかしいことに気づく。買い物客はどこに？中心部を貫く奇妙な水路とは？夜になると集まってくる影のような人影の正体は？そして閉店後にしか開かないトンネルの先にあるものとは？ケンプは、過去の罪と社会から取り残された生活によって、死者への渡し守という、彼が望んでもいない仕事に就く資格を得たのだと、徐々に思い知らされる。

DEAD CENTRE』はハードボイルドで幻覚的な地獄への旅。Derek Raymondが翻訳したダンテのインフェルノや、Jim Thompsonが脚色したDawn of the Deadを思い浮かべれば、半分くらいは理解できるはず。

音楽について：『Reigns』のサウンドトラックは40分のインストゥルメンタルで、ケンプが冥界に堕ちていく様子を音で描いています。RIYL Nurse With Wound, The Books, Boards Of Canada.