Mister Goblin – Frog Poems

Sam Goblinのポスト・パンク・バンド、Two Inch Astronautの解散は、再発明のチャンスでした。実験の機会。統一された音の方向性の欠如を方向性に任せるというアイデアを探求する機会。2000年代初頭のPedro the Lionのような舌鋒鋭いストーリーテリングの伝統から、The Lemonheadsのような90年代のオルタナティヴ・バンド、さらにはNo KnifeやShinerのようなポスト・ハードコアに傾倒したバンドまで、万華鏡のように様々な影響から引き出されたMister Goblinの『Frog Poems』は、予想外であり、思慮深く、良い意味で特異。バンドが本能的な求心力に抗い、あまり馴染みのない水域へと舵を切る決意が、『Frog Poems』を何気なく聴くものから、活動的でダイナミックな旅へと変えているのです。この大胆さと開拓への意欲は、レコーディングの一音目から明らかであり、このアプローチの精神こそが、『Frog Poems』がリリースされた後もずっとターンテーブルを回し続ける理由なのです。