フォークトロニカの先駆者として知られるマルタ生まれ・ロンドン拠点のKristian Craig Robinsonのプロジェクト Capitol Kと、エレクトロニカやパンクをルーツに持つアーティスト CHILDによるコラボレーション・シングル「Ħabbata」は、二人のクリエイティブな力が融合した即興電子音楽作品です。悪条件下の中、丘の上のバンカー(地下壕)に置かれた原始的なテクノロジーを用いて即興で制作された本作は、ハードな電子ドラムとミニマルなベースラインを軸に展開。土地の空気感や個人の主権といったテーマを描きながら、クラシック・エレクトロニカとダーク・アンビエントが融合した、催眠的で幽玄なサウンドスケープを作り出しています。
本作で最も特徴的なのは、シチリア・アラビア語から発展した希少なセム系言語であるマルタ語で歌われるCHILDのボーカルです。彼女は自身の天然の楽器である「声」を駆使し、シンセサイザーやミニマルなハードウェアによるビートと組み合わせることで独自の言語表現を構築しています。歌詞の中では「一日、また一日と、その日が扉を叩いている。あなたはその日にどう挨拶するのだろう?(Day after day / The day is knocking / How will you greet today ?)」という呪術的なメロディが繰り返され、聴き手を未知のディープな音響世界へと誘う招待状のような楽曲に仕上がっています。
