“Staying In” は、時間が経つにつれて過去の経験との接点が徐々に失われていく様子や、慣れ親しんだものにしがみつこうとする自然な本能を繊細に描いた曲だ。歌詞は、薄れゆく記憶という抽象的なイメージと、骨身にしみる直接的で生々しいセリフの間を自然に織りなしている。ギターの金切り声が響く言葉のないコーラスが、詩が積み重ねてきたメランコリーと緊張感を完全に解き放つ。”Staying In” は、スウェーデンの厳しい冬が終わりに近づいた2022年の春にゆっくりと書き上げられた。冬の冷たい心地よさが、そのまま春の目を焼くような青空へと飛び込んでいく、ある意味、このインディー・ロックの哀歌の舞台を作ったのだ。
