Pure X – ‘Crawling Up the Stairs’ (Acéphale)

そもそもは Pure Ecstasy と名乗っておりましたが、改名と共に音楽的にも少し変化をしてましたね。でも、前作から2年ぶりとなる本作 Crawling Up the Stairs では、かなり変動があるではないでしょうか。 彼等が今回新たに手に入れたものはある種のフォーク。奏でられる音がアコースティックなギターが目立つようになったのと、照準を歌の部分に持ってきており、今までのような始まりや終わりも無いような、ぼんやりとしたものからは、かなり中心に音が寄っております。ですが、そのぼんやりと揺らぎのある感覚は残されており、それが Pure X の一番の要素になってることには変りありません。けだるさの中に見え隠れるする夢うつつなソウル。だけど、完全に信用して身を任せていると、たまに突き放すようにロックンロールが騒ぎ出す。全体像はフォークを身にまとい平たい印象だけど、彼等の歩調に合わせてゆっくりと聴いていると、不可思議な音で組み合わさってることに気付く。たぶん、メイン・ヴォーカルも曲によって違うと思われ、いい意味でアバウトな感じで、想像してた以上に幅広い。ここへの到達はとても面白いし、想定外。少なくとも自分は今まで体験したことのない時間でした。

9.0/10

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