Black Pus – ‘All My Relations’ (Thrill Jockey)

All My Relations

2006年に初めてソロ作としてリリースした以降、これまでに8作ものアルバムを実はリリースしていたわけですが、その全ての作品を聴いていないのでなんとも言えませんが、基本的に Lightning Bolt での音楽性に近いものをやっていたと思う。独りでもこんだけできるんだぜっ!ってな感じで。しかも、初期の頃はサックスを用いて地を這うような音がわりと幅を利かせ、ズブズブな路線も少なくなかった。それが前々作にあたる Load Records からの Primordial Pus から、サックスの替わりにオシレイターをドラム・キットに組み込むようになってからは、音にも変化が出始める。オシレイター効果でベースラインは以前よりもスムーズなものに進化し、そして今回 Thrill Jockey からの All My Relations では、その変化以降で最もポップなものになったと言えるでしょう。Lightning Bolt で聴けるようなカオティックなドラミングは控えて、ある意味シンプルなリズム・パターンに抑え、先ほどのオシレイター・ベースとエフェクトを通過はしているが、ちゃんとヴォーカルと判断出来るもので表現し、今までになかったメロディすら感じれるようになった。そして、今回始めての試みとして一番大きい要素だとおもうが、プロデューサーも起用してスタジオ・ワークを重ねたこと。断然、バランスや構成に幅が出たのはその影響でしょう。疑うまでなく今まで一番完成度が高い。もしかしたら Lightning Bolt よりも、この先の発展があるんじゃないかとすら思えてくるよ。

7.5/10

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