Prurient – ‘Through The Window’ (Blackest Ever Black)

ことあるごとに Prurient の Cocaine Death をお客さんに勧めるスタッフがいた。インディ系の音楽はましてや、洋楽すらあまり聴いていないような子に対しても、「これいいっすよぉ」って。いくらなんでもそれはやりすぎだろって思っていたけど、いつも説明がたどたどしいから、だいたいの人は買わないんで結局は無駄打ちなんですけど。Dominick Fernow といえば、レーベル Hospital Productions を主宰している方ですが、一時期ニューヨークでレコード・ストアもやっていて、店内の様子をネットで見たことがあったのですが、壁の色や店の雰囲気がウチの店に似ていてなんか親近感がありました。まぁ、お互いもう閉めちゃったわけですが。最近目立つようになってきたノイズ畑出身組のテクノまたはダンス・ミュージック傾倒。同じようなひととして挙げられるのは、Pete Swanson とか Nate Young になりますが、4/4またはテクノ・ミュージックに結局流れ着くのはなぜなんでしょうね。最近の4/4事情の一部では、雑な作りのものが面白いとされるようになっている。その状況を突いて彼等のようなノイズ組も4つ打ち分野に進出してきた。ただ、その表現方法はそれぞれで、この Prurient の場合は比較的シンセイズムに照準を合わせていて、アナログなシンセのフレーズやレイヤーをメインとし、90年代の初期ミニマル・テクノのようなビートで拵えている。要所にノイズを感じさせることも忘れてはいないが、スポークン・ヴォーカルと交えて進行する感じはどちらかと言えばダークウェーヴの延長にあるようなもの。そのへんは、Prurient がそもそも持っていた部分でもあるし、これまでの Dominick Fernow の活動歴を考えればそんなに驚くような変化ではなく、極自然な流れなのかもしれませんね。

7.0/10