Kelpe – LP10

ロンドンのプロデューサー、Kel McKeownがKelpeとして10枚目のアルバムをリリース。

生ドラムにシンセシスとギターを組み合わせたKelpeの作品。これまでの9枚のアルバムと同様、LP10は、ゴージーなメランコリアと賑やかでダンスフロア向きのエネルギーの境界線を踏みしめる作品。

Kelpeの音楽を聴いていると、まるで写真集をパラパラとめくっているような気分になります。見覚えのある顔や場所が現れ、ノスタルジックな情景が組み合わされ、乱暴なリズムやサンプルによって散らばっていきます。

LP10ではアナログ・パーカッションが主役。ヒップホップからジャングルまで変幻自在に操るこの落ち着きのないドラミングは、McKeownのインストゥルメンタリストとしての才能を示すと同時に、彼の初期のリリースの特徴であったスクランブル・ビートを彷彿とさせる。

Kelpeは、このアルバムでヴィジュアル・アーティストのNikita Izievと緊密に協力。映画監督の先駆者であるJohn Schlesingerにインスパイアされ、ニュー・ウェーヴ映画のセレンディピティな幾何学模様が、音楽とアートワークの断片的な瞬間にマッピングされています。

Schlesinger’はスリーブの弾けるような予測不可能性を反映し、’The Palace Guard Loop’はフェンダー・ローズのジャズ・キーにネオンの肥料をかけたような曲。アドレナリンは「Events Proved Me Wrong」で頂点に達し、Kelpeは家庭的なドラムとベースのワークアウトで本領を発揮。