Greg Saunier – We Sang, Therefore We Were

ARTIST :
TITLE : We Sang, Therefore We Were
LABEL :
RELEASE : 4/26/2024
GENRE : ,
LOCATION : San Francisco, California

TRACKLISTING :
1.There Were Rebels
2.Front-load the Fun
3.Yeah You, Person
4.Don’t Design Yourself This Way
5.Furrowed Sugarloaf
6.Rip the Atmosphere from the Wind
7.Grow Like a Plant
8.No One Displayed the Vigor Necessary to Avert Disaster’s Approach
9.Blame Yourself
10.Instead of Queen
11.Not for Mating, Not for Pleasure, Not for Territory
12.Playing Tunes of Victory on the Instruments of Our Defeat

Deerhoofのサウンドを説明するのはすでに難しい。ここではその部分を省略して、シンガーを変えたDeerhoofのようなサウンドとでも言いましょうか。そして、30年来のHoofianの伝統に従って、メロディーは舞い上がり、大ヒット曲の耳コピが溢れ、ハーモニーは複雑で、キーは頻繁に不意に変化します。アレンジは常に焦燥に駆られている状態。感情は高ぶるが、語り口はたいていファルセット・デッドパン。『We Sang, Therefore We Were(われらは歌い、ゆえにわれらが存在した)』は、悲しみがコードで表現されています。

Gregは、時折歌に加わる数羽の鳥を除いて、すべてを演奏。彼は楽器の種類を極端に制限し、サウンドはショボショボで反スリック。Gregは、Deerhoofのバンドメイトに比べれば少し初歩的で斬新ではあるものの、実に優れたベーシストでありギタリストであることが判明。ギター・ソロはもっと激しい。

曲作りはゴージャスで洗練されており、ドラムはほとんど後付け。ここでは、歌はクイーン。歌は高くささやくようで、3部ハーモニーの傾向があります。つまり 『We Sang, Therefore We Were』は、Andrews Sistersがフロントマンを務めるDeerhoofのようなサウンド。

これは、インディ・ロック界で最も有名なドラマーの1人の心の中を覗き見たものであり、彼のファンの多くは、彼の音楽性と作曲の多作の容赦なさに気づいていないかもしれません。このアルバムでは、モーツァルトのようなコードとサウンドがあちこちに散りばめられており、最後の大きなクライマックスでは、ドラムが不意に途切れて、皮肉にも非常に生々しいアルバムの中で最も生々しい部分かもしれない、笑ったり泣いたりするような管弦楽の大合唱になります。

「Satomi、Ed、Johnと私は、12月初旬のオースティンでのショーの合間におしゃべりしていました。彼らは私に、ひとりでレコードを作るように勧めてくれました。自分しか喜ばせる人がいなかったので、いつもよりずっと早く出来上がりました。基本的にはホリデーまでには完成していました。ローリング・ストーンズの新譜が『怒った』サウンドになるという発表に興奮していました。『そうだ、私も怒っている』と思ったんです。でも『Hackney Diamonds』は、パンクロックというより綿菓子のような仕上がりになってしまいました。それでわたしはふたたび思い直して、もう一度Nirvanaに戻りました。巨大なディストーションに乗ったキャッチーなメロディ、単純なメジャースケールやマイナースケールへの準拠を拒む彼らの歌、ファシズムのインチキ青色チェックが蔓延るこの時代にも響く暗い皮肉。

アルバムのジャケットは、種族間の不条理オペラのような反カルテス革命というおなじみのトピックについてGregが書いたもので、すべてテキスト。曲の歌詞はすべてこの叙事詩から引用。ホワイトハウスのスポークスパーソンは『魔笛』の夜の女王に、夜の女王は生き残りをかけて一晩中歌い続けるモッキンバードに、そして最終的にモッキンバードは、自身の攻撃的で疲れを知らない音楽作りに喜びを感じているキャンピーなドラァグアーティストに、それぞれキャスティングし直されているのです」