Crackazat – Senses EP

ARTIST :
TITLE : Senses EP
LABEL :
RELEASE : 7/14/2023
GENRE : ,
LOCATION : Sweden

TRACKLISTING :
1.I Need to Know
2.Do You Think About Me
3.Freddie’s Groove
4.Phantom feat. The Potash Twins
5.Endless Life
6.When We Last Met

& Heistが贈る: ’Senses’。現代のエレクトロニック・ミュージックに心温まる視点を提供する素晴らしいミニ・アルバム。

‘Senses’ では、Crackazat の純粋な才能がかつてないほど生き生きと表現されている。”Alfa” やHeistからの最新ヒット曲 “Demucha” で踊り、Freerangeからの2022年のアルバム ‘Evergreen’ では、よりポップな側面への彼の冒険を聴いたことがあるだろう。しかし、「Senses」は別次元だ。鍵盤、ヴォーカル、ベース、そしてプロダクションはすべてスウェーデンのウプサラにある彼のスタジオで生演奏されている。全編にフィーチャーされているジャジーなホーンは、Potashツインズとして知られるAdeev and Ezra Potashが録音したもの。このデュオは、John LegendやRobert Glasper、さらにはDiploとのレコーディングから離れ、Crackazatとこのプロジェクトに飛び込み、間違いなく彼のこれまでの最高傑作となる作品を提供する手助けをした。

6曲入りのアルバムは、”I need to know”の低音のグルーヴで始まる。全体の雰囲気は温かく、ドリーミーで、人生のどこにいようと、気分を高揚させるために書かれたようだ。弾き語りのストリングス、アルペジオ、長いホーンの音がこの曲にエネルギーを与え、それをローファイなドラムとまばらなベースがさりげなく支えている。

“Do you think about me” は、美しいドラムのグルーヴとまばらなベース・セクションで、エネルギーをタイトに保っている。曲の最初の音から、エネルギーが今にも変わりそうな感じがする。中盤、高揚感のあるキーとブンブン響くリードがトラックを支配すると、まさにその通りになる。ストリングスのアレンジは繊細で、他の楽器の影を薄めることはない。この曲のエネルギーが解き放たれると、すべてが笑顔になる!

“Do you think about me” がポップ・モードのクラカザットなら、”Freddie’s Groove” はジャズ・モード全開のCrackazatだ。Freddie Hubbardへのオマージュは明らかで、Crackazatはこの曲のために、ジャズの伝説的人物と彼の伝説的なフランス人サンプラー、Pepe Bradockのアイデアを巧みに取り入れている。ホーンはディープでムーディー、グルーヴはジャズ・ハウスの醍醐味であり、クラカザットのソフトなヴォーカルはグルーヴにぴったりの儚さを持っている。トラック中盤の刺すようなシンセ・セクションへの切り替えは、この熟練プロデューサーが、これだけの音楽的要素がありながら、音符をひねるだけでダンスフロアの最前線に向かわせることができるということを、さりげなく思い出させてくれる。

“Phantom” では、Crackazat がシャッフルするラテン・ダンスの雰囲気へと移行する。この曲はホーン・セクションによってそのポテンシャルを最大限に発揮しており、ポタッシュ・ツインズのフィーチャリング・トラックにふさわしい。ラテンのリズムは瑞々しく、キー進行は的確で、何層にも重なるホーン、パワフルなヴォーカル、繊細だが効果的なパーカッションの切り替えで、この曲のエネルギーはとどまるところを知らない。

“Endless life” は、繰り返すたびに勢いが増していくようなトラックだ。ブロークン・ビートのグルーヴ、オフビートのキー、まばらなホーンのヒット、コード・ヒット、リードなど、このトラックには、聴く者を掴んで離さないエネルギーがある。

アウトロの “When we last met” は、ヴィヴィーなドランク・キーとダウンテンポのヒップホップ・グルーヴで構成されている。このトラックにはオールドスクールなディアンジェロのヒントがあり、アーティストがリスナーを連れて行く道に安らぎを感じているのがよくわかる。このアルバムは、クラックアザットが作曲を通して作り上げた美しい世界を披露する完璧なエンディングであり、確かなことは、この先もずっと聴き続けられるアルバムだということだ。