マルチな才能を発揮する音楽家Wendy Eisenbergが、シンガーソングライターとしての側面を打ち出したセルフタイトルアルバムをリリースします。EditrixやBill Orcutt Guitar Quartetでの先鋭的な活動とは一線を画し、新作からのシングル「Vanity Paradox」では、独創的で遊び心あふれるメロディと、インディーギターに突き刺さるようなバイオリンの音色が融合した魅力的なサウンドを展開しています。本人はこの曲について、友人から「良い人だと思われたい」という欲求や、トラウマからの回復過程で自分自身を客観視できなくなる「不安の感覚」を解読しようとしたものだと語っています。
楽曲の世界観を補完するミュージックビデオはRuby Marsが監督を務め、アトランティックシティの伝説的建造物「ルーシー・ザ・エレファント(象の形をした巨大な家)」で撮影されました。エッフェル塔や自由の女神よりも長い歴史を持ち、数々の嵐を耐え抜いてきたこの象の巨像は、背後で Wendyを見守る守護者のようでもあり、同時に独特の威圧感を放つ異質な存在としても描かれています。自己への好奇心が皮肉にも自分を不明瞭にしてしまうという「虚栄のパラドックス」を、映像と音楽の両面から鮮烈に映し出した作品です。
