音響の詩人Isik Kuralが描く時間と古代遺跡の記憶——グラスゴー撮影の映像美と共に贈る先行シングル「Winter Sun」とRVNG Intl.からの3rdアルバム『Motorcycles and Cherry Wind』
トルコ出身のサウンドアーティスト/コンポーザーIsik Kuralが、名門レーベルRVNG Intl.(国内盤CDはPlancha)より10月30日にリリースする通算3作目のアルバム『Motorcycles and Cherry Wind』から、先行シングル「Winter Sun」を公開しました。本作は、ヴァイオリンとピアノが静かに絡み合う繊細なアレンジとKuralの優しいボーカルが印象的な楽曲で、Barnaby Omar監督がグラスゴーで撮影したミュージックビデオと共に解禁されています。
先行シングル「Winter Sun」は、蜻蛉の羽や坂道のシルエットといった一瞬の風景を写真のように描いた詩的な歌詞を持ち、従来の楽曲というよりも「感覚的な記憶」に近い世界観を作り上げています。名作と評された2024年の前作『Moon in Gemini』で魅せた情緒豊かな音響表現を継承し、どこか不気味で神秘的でありながらも、深く心を穏やかにさせる独特のバランスと優美なアンサンブルを展開しています。
ニュー・アルバム『Motorcycles and Cherry Wind』は、時間のループを巡りながら古代遺跡の記憶を辿る探求者たちを描いた「音の旅行記」のような作品です。受け継がれてきた伝承やノスタルジアを纏ったタイムレスなサウンドは、まるで考古学遺跡の埃っぽい神秘のように豊かで奥行きがあり、生きている者と遠い過去に去った者の両方へ優しく語りかける、詩的で深い味わいを持ったアルバムに仕上がっています。
結成30年を超えるパワーポップの巨星Imperial Teenが放つ7thアルバム『All Over You』——新曲「Overdrive」と共に描く新たなポップ・ユートピア
サンフランシスコ出身のポップ・バンドImperial Teenが、長年籍を置くMerge Recordsより通算7作目となるスタジオ・アルバム『All Over You』を2026年10月9日にリリースすることを発刊し、併せてリードシングル「Overdrive」のミュージックビデオを公開しました。Roddy Bottum、Will Schwartz、Jone Stebbins、Lynn Truellの4人は互いに遠く離れた都市に暮らしていますが、数年に及ぶリトリートとセッションを通じて互いのクリエイティヴィティを結集。結成から30年以上が経過した今も変わらぬ強烈なケミストリーを証明する復帰作となっています。
先行トラック「Overdrive」は、マサチューセッツ州プロビンスタウンでのセッション終盤における一瞬の閃きから生まれ、ボーカルのWill Schwartzがフェリーに乗る直前に奇跡的に一発撮りされた楽曲です。Sex Pistolsへのさりげないオマージュやアルバム唯一のインターネットに関する歌詞を織り交ぜつつ、バンドの真骨頂である緊迫感、ウィット、そしてキャッチーなフックに満ちたフットワークの軽いオルタナ/パワーポップ・チューンに仕上がっています。
アルバム『All Over You』は、バブルガム・ポップや男女の男女ボーカル・ハーモニー、エレクトロ・ビート、グランジのディストーションなどを融合させた、バンド史上最も彩り豊かな音のパレットを展開する作品です。キャピタリズムの下での芸術制作や欲望、途絶といったテーマを扱いながらも、「踊らせ、考えさせ、感情を動かしたい」という彼らの美学を軸に、多幸感とパンク精神が共存する魅力的なポピュラー・ミュージックを提示しています。
10年の沈黙を破り届いた待望の2ndアルバム。GrouperのLiz Harris擁するHelenが見せる、シューゲイザーの陰影とトゥイー・ポップのフックが躍動するドリーム・ポップの深化
アンビエント・フォーク・プロジェクトGrouperとしてカルト的な人気を誇るLiz Harris(ギター、ヴォーカル)、Scott Simmons(ベース)、Jed Bindeman(ドラム)からなるポートランドのトリオHelenが、約10年ぶりとなる2ndアルバム『Linda’s Head』のリリースを発表し、先行シングル「Dead shark II」を公開しました。2015年のデビュー作『The Original Faces』以来の沈黙を破る本作は、Grouperの静謐な佇まいとは異なり、エネルギッシュなリフやキャッチーなフックを押し出したドリーム・ポップの復帰作となっています。
先行トラック「Dead shark II」は、Liz Harrisの真骨頂である大聖堂のようなディープなリバーブに包まれた歌声と、ノスタルジックで親密なシューゲイザー〜トゥイー・ポップ調のサウンドが見事に調和した楽曲です。タイトルトラックと共に公開された本作は、バンドの強みであるガウジーで美しいメロディラインと浮遊感溢れるアンサンブルを存分に堪能できる仕上がりとなっています。
アルバム『Linda’s Head』は、薄明かりやシルエットの影を捉えるような独自のシューゲイザーサウンドを展開し、波や嵐、逃避をモチーフにした歌詞とニュージーランド・ポップ・アンダーグラウンドを思わせる陰影に満ちた色彩が与えられています。「雲の中の頭」や「切断」などの多義的な意味を持つタイトル通り、歳月を経て研ぎ澄まされたレイヤーとメランコリーを湛えつつも、その核心には暗い時代を共にしてきた旧友同士の温もりと解放感が深く脈打っています。
Mountainsでのキャリアを経て更なる進化へ——コラやギター・ソリの響きをモジュラーで再構築するKoen Holtkampの有機的エレクトロニクス
作曲家でありマルチ奏者のKoen Holtkampが、名門レーベルWestern Vinylより2026年10月9日にリリースするニュー・アルバム『Nightlife』から、先行シングル「Slow Fox Run」を発表しました。インディー/実験音楽シーンで多大な影響を残したデュオMountainsでの活動でも知られる彼ですが、本作はブルックリンからニューヨークのハドソンバレーへと拠点を移し、自然に囲まれたゆったりとした生活様式や深夜のセッションからインスピレーションを得て制作された、自身の音響探求の新たなフェーズとなる作品です。
サウンド面では、ギター・ソリやコラをはじめとする弦楽器の伝統に対する深い愛着をもとに、撥弦(はつげん)音を模倣する物理モデリング手法を取り入れたモジュラー・システムを構築。アコースティック楽器の持つ手触りや表情を電子音楽の言語へと翻訳することで、合成音でありながら有機的で親密な温もりのある独特の質感を立ち上げています。シングル「Slow Fox Run」をはじめ、アルバム全体を通して実験性と伸びやかな演奏の歓びが凝縮されています。
さらにアルバムでは「架空のアンサンブル」という概念のもと、ドラマーのGreg Fox、サックス/フルート奏者のMatt Bauder、シンセベースのBen Vidaといったゲスト陣が参加。彼らの生演奏とエレクトロニクスが立体的な空間の中で絶妙に共存し、従来のバンド構造に収まらない流動的なアンサンブルを形成しています。静寂、質感、繊細な相互作用が優先された本作は、音と空間が互いに及ぼし合う関係性を鮮やかに表現した秀逸な作品です。
デンマーク発の5人組Lowlyが提示する圧倒的深遠美:結成10年以上の深固な絆と生演奏の原点回帰が紡ぎ出す、壮大なドリームポップの最高到達点
デンマークの5人組バンドLowly(ローリー)が、2026年10月30日にBella Unionより通算4作目となるニューアルバム『Softy』をリリースします。そのリリースに先駆けて公開されたタイトルトラックの先行シングル「Softy」は、バンド自身によって作詞・作曲・プロデュースが行われた楽曲です。前作『Keep Up the Good Work』(2023年)を経た本作は、UKやヨーロッパ全域で高く評価された初期のドリームポップ・サウンドを踏襲しつつ、さらにオーガニックで壮大なスケールへと拡張されています。
制作過程においては、結成から10年以上が経過した彼らが原点に立ち返り、全員が同じ部屋に楽器を持ち寄って直接アイデアを練り上げるアプローチが取られました。お互いへの深い敬意と信頼のみを道標として生み出されたこの作品は、親となること(Parenthood)、家族、愛、そして喪失といったきわめてパーソナルでエモーショナルなテーマを深く掘り下げています。長年のキャリアで培われた確かな演奏陣の化学反応が、楽曲の力強さと情緒的な深みを際立たせています。
10年以上にわたり単なる共生関係を超えた一つの「有機体」として活動してきた5人だからこそ到達できた本作は、これまでの作品の中で最も“Lowlyらしさ”に溢れた作品と言えます。言葉によるコミュニケーションすら不要とするほどの息の合ったアンサンブルにより、彼らの最大の達成と最も繊細で脆弱な瞬間がシームレスに織りなされています。4枚目のアルバムでありながら、バンドの新たな章の始まりを感じさせる最高傑作の誕生です。
世界の終末と死の虚無を見つめながら生のリアリティを追求する——Sulfateがギター編成への刷新と重厚なノイズの壁で描き出す、進化と熱狂のサード・アルバム
ニュージーランド出身のノイズ・ロック・バンドSulfateが、サード・アルバム『And It Wants』をリリースします。ニューリンの工業地帯で執筆・録音された全6曲の本作は、Cormac McCarthyの小説やゴシックホラーの狂気などからインスピレーションを受けて制作されました。完璧に整えられた現代のデジタル社会への反動として、生のバンド演奏のリアリティを追求しており、エンジニアのEmily Wheatcroft-Snapeを迎えて人間的な温もりと圧倒的な生々しさを音に閉じ込めています。
今作では、ベースにZac Arnoldが加入し、フロントマンのPeter Ruddellがキーボードからエレクトリック・ギターへ転向するなど大きな編成変更が行われました。機材のシンプル化によって楽曲の構造や反復による緊張感が研ぎ澄まされ、Arnoldが創り出すノイズの壁とDavid Harrisの力強いドラムが融合した、野生味あふれる重厚なバンド・サウンドを確立しています。
先行シングル「Aqui」に象徴されるように、アルバム全体を通じて「不可避な死」や現代社会の虚無感がテーマに掲げられています。しかし、ただ絶望を描くのではなく、世界の終末が近づく中でも自由で熱狂的に躍動し、喜びを見出すための解放的な音楽的背景として機能する作品に仕上がっています。
失恋の傷痕と中年期の孤独を見つめて——Anticonの重鎮WHY?が多彩な協働者とともに紡ぎ出す、切なくも美しいローファイ・バラードの新たな到達点
シンシナティ出身のアーティストYoni Wolfによるプロジェクト、WHY?がニュー・アルバム『Oh Golly / Yes Lord』を2026年秋にリリースします。大きな失恋を描いた2024年の前作『The Well I Fell Into』の余波を受け、本作では中年期における孤独な生活やインターネット上での暮らし、新たなデートへの葛藤といった切実な日常をテーマに掲げています。
今作の制作には、The WeekndやShawn Mendesを手掛けたプロデューサーのNate Mercereauをはじめ、実兄のJosiah Wolf、FogのAndrew Broder、GayngsのRyan Olsonといった多彩なミュージシャンが参加しています。前作から地続きのテーマを扱いながらも、深みのあるコラボレーションによって音楽的な進化を遂げたアルバムとなっています。
アルバムのリリースに先駆けて公開されたリードシングル「In Spirit」は、作品のラストを飾る楽曲であり、Wolf自身がすべての楽器を演奏したローファイなバラードです。直接会ったことのない人物へ向けた切なくも純粋な情愛を描いた一曲であり、「たとえ現実で会えなくとも、別の世界で繋がっている」という切実な想いが、遊び心あふれるサウンドに乗せて歌われています。
ニューオーリンズの街角から届く日常の讃美歌――Tuba Skinnyのバンジョー奏者 Max Bien Kahn が、極上のシャンブリング・ギター・ポップを詰め込んだ新作『Baby Green』と先行シングル「Neighbors」を発表
ニューオーリンズを拠点に活動するマルチ奏者 Max Bien Kahn が、10月23日に Well Kept Secret および No Vinyl Records よりリリースするニュー・アルバム『Baby Green』からのセカンド・シングル「Neighbors」を公開しました。本作は、愛する近所の日常の生活リズムや人々の営みをテーマにしており、ヘイジーでどこか心地よく揺れるシャンブリング・ギター・ポップへと結実しています。
自身5作目のフル・ソロ・アルバムとなる『Baby Green』で、彼は自身のロックンロールのルーツへと深く踏み込んでいます。伝説的なヌーヴォー・トラッド・ジャズ・バンド Tuba Skinny のバンジョー奏者としての顔や、Duff Thompson、Esther Rose らとのコラボレーションで培われた音楽性を背景に、本作では気怠くも魅力的なギター・ポップを展開。2024年のマルディグラ直前にニューオーリンズで Ross Farbe をエンジニアに迎え、Kunal Prakash や Gina Leslie ら豪華なバンドメンバーとともにわずか4日間でライヴ録音されました。
アルバム全体を通して語られるのは、新しい愛の発見、親の他界、結婚や父親になること、そして馴染みのバーでのダンスといった、人生のあらゆる局面における大小さまざまな瞬間です。シングル「Neighbors」を口切りとして提示される『Baby Green』は、切なくも喜びに満ちた人生の素晴らしい混乱と日常の美しさを捉えた、極上のラブレターであり讃美歌のような作品となっています。
LAの新鋭 Big Trouble が始動! 絵本『大きな木』や社会運動の葛藤に着想を得た鮮烈なデビュー曲「Mel」を解禁
マルチ奏者の Justin Kohlberg(Moonrun)とシンガー/マルチ奏者の Daniel Talamantes によるロサンゼルス拠点のプロジェクト Big Trouble が、デビュー・シングル「Mel」を解禁しました。本楽曲は、9月18日に Royal Oakie Records よりリリースされる彼らのファースト・アルバム『On Elephant Hill』のオープニングを飾るナンバーです。シェル・シルヴァスタインの絵本『大きな木(The Giving Tree)』に着想を得ており、「自己の消滅につながると知っていながらも全てを捧げてしまう」という、運動への献身に伴う個人的な代償や葛藤を鮮烈に描いています。
2016年の映像撮影で出会ったふたりがホームスタジオで数年かけて熟成させたサウンドは、Kate Bush や Paul McCartney らに影響を受けたインディー・ロック、フォーク、ソウルが美しく交錯する仕上がりです。Fruit Bats や Buck Meek を手掛けた Adrian Olsen がミックスを担当し、Talk Talk や Brian Eno、Broken Social Scene を彷彿とさせる実験的で密度の高い音響世界を作り上げています。
このシングルを皮切りに明かされるフル・アルバム『On Elephant Hill』は、ユングやイェイツの文学的アプローチに加え、Talamantes 自身の環境・社会運動での実体験が色濃く反映された多面的な作品です。ロサンゼルスでの移民強制捜査や現代社会の無関心といった重厚なテーマを扱いながらも、普遍的なポップネスと深い思索が見事に同居した、彼らの記念すべき初長編作となっています。
MBVの名曲を重厚なポスト・ハードコアへ昇華! 米ロックの雄 Shiner、伝説的ナンバー「Only Shallow」の圧巻カバーを解禁
カンザスシティの重厚かつメロディックなポスト・ハードコア/インディー・ロック・バンド Shiner(シャイナー)が、10月9日に Spartan Records よりリリースされるレア音源&未発表曲集『The Y Section』から、先行シングル「Only Shallow」を解禁しました。My Bloody Valentine による言わずと知れた名曲のカバーである本作は、原曲のノスタルジーを追うのではなく、重厚なギター、ダイナミックな音響構成、そして Allen Epley の堂々としたヴォーカルによって、Shiner 独自の歪んだ美学と緊張感を吹き込んだ圧巻の仕上がりとなっています。
ツアーの最後を飾る定番曲としてライブ現場で磨き上げられ、Westend Studios にてその圧倒的な熱量をパッケージングした本作。原曲が持つ幻惑的な浮遊感を保ちながらも、バンドならではのパワフルで筋肉質な骨格を与えることで、単なるカバーを超えた「同じ歪んだ言語で対話するような」独自の存在感を放っています。
このシングルを旗印にリリースされるアルバム『The Y Section』は、25年以上にわたるキャリアの中から未発表音源や貴重なレア曲、知られざる名曲の数々を集めた注目のコレクションです。単なる過去の振り返りにとどまらず、常に自己模倣を拒み進化を続けてきた彼らのディープな歴史と知られざる一章を解き明かす、まさにファン必聴の傑作アルバムとなっています。
