ベルリンを拠点に活動するクイーンズ出身のアーティスト duendita が、最新アルバム『existential thottie』のリリースを発表し、先行シングル「super sad!」を公開しました。昨年の意欲作『a strong desire to survive』に続く本作は、彼女自身が「日記のように個人的な内容で、最初は公開するのが怖かった」と語るほど内省的なプロジェクトです。静謐で煌びやかな新曲「super sad!」は、「クラブにいるけど超悲しい、だから腰を振る」というユーモアを交え、複雑な感情の断面を鮮明に切り取っています。
本作の大きな特徴は、duendita が初めて「頭から爪先まで」完全にセルフプロデュースを手がけた点にあります。深夜や早朝に彼女が一人 Digitakt(リズムマシン)に向き合い、純粋な自己表現として紡ぎ出したデモが核となっています。その後、信頼するバンド仲間やコラボレーターを招き入れ、ライブでの経験を録音に反映させることで、ハープや生ドラム、ベース、鍵盤といった豊かな響きが加えられ、親密さとダイナミズムが共存するサウンドへと進化を遂げました。
アルバム全体を通じて描かれるのは、失恋やメンタルヘルス・システムとの格闘、あるいは「ヘテロなシチュエーションシップ(曖昧な関係)」での諍いといった切実な痛みから、安全で熱いセックス、避妊にまで及ぶ、驚くほど正直で「ジグリー(揺れ動く)」な物語です。滑稽さと誠実さが同居する楽曲群は、最終的に「癒やしに全力を尽くす」という決意の約束へと着地します。弱さをさらけ出しながらも生を肯定する、duendita の真骨頂といえる一作です。

