Yuko Araki – IV

Yuko Arakiからのメモ
少し反語的に聞こえるかもしれませんが、私は不必要なノイズのないノイズ・ミュージックを作りたいと思っています。このように聞こえるかもしれませんが、私の新しいレコーディングの核心はそこにあります。必要な要素や素材だけを使うことで、音楽に最大限のインパクトとダイナミクスを生み出したいのです。

私はノイズ・ミュージックの大ファンで、多くの場合、その過剰な性質を楽しんでいます。しかし、自分の作品では、音楽を聴く人に深い影響を与えることができるような、非常に重要な部分まで音楽を煮詰めることに興味があります。私が自由に使えるものを、意図を持って、力強く使いたいのです。

また、この音楽とのつながりを深め、この音楽の中に自分の居場所を作りたいと思いました。そのために、自分がどのように作品に溶け込んでいるのかを探求し始めました。私の身体は、このプロジェクトを作るために使う様々な機械の間のジェスチャー的なインターフェイスである以上に、このプロジェクトにどのように関わっているのかを探りました。声についてよく考えるようになり、それがレコーディングのプロセスにも入ってきました。私は、声が物語や歌にどのように語りかけるかということにはあまり興味がありません。それよりも、声がどのように音楽に取り憑くのかに興味があります。

このアルバムには、もう一人のアーティスト、EndonのTaichi Naguraにも声を提供してもらいました。”Sloshing” には彼の声が収録されているのですが、彼の声は、私が興味を持っているこの質感を見事に表現しています。まるで彼が作品の中に閉じ込められ、音の中で他の素材と戦ったり、対抗したりしているかのようです。この緊張感は、少なくとも私にとっては、音楽を作ること、そして聴くことに関して、とても力強い関係性を捉えています。