The Pitch & Julia Reidy – Neutral Star

The Pitchは、Boris Baltschun、Koen Nutters、Michael Thieke、Morten Johからなるカルテットである。2009年にベルリンで結成された彼らは、アコースティックな探求とエレクトロニックの介入に満ちた催眠術のような構造化された即興を演奏する。’Neutral Star’では、The Pitchにオーストラリア出身のギタリスト／作曲家であるJulia Reidyが加わり、星を眺めるようなエレクトロ・アコースティック・ジャズを聴かせる。

レイディの演奏と作曲のテクニックは、タコマ・スタイルのフィンガーピッキングとグレン・ブランカ風の微分音との間にあり、The Pitchが提供する緩やかな即興の枠組みを完璧に補完している。Endless≠Limitlessは、レイディとヨハによる最近の作品で、テープ・ディレイを使った洗礼された作品から、カラフルで蛇行するアンサンブル曲へと変貌を遂げた。

24分の’Neutral Star’は、サイレンのような倍音で始まり、そのドローンのような流れは、ゆっくりとジャジーな旋律へと変化していく。ヴィブラフォン、クラリネット、エレクトロニクス、コントラバスの絶え間ない噴出と、レイディの真珠のようなスティール・ギターが絶えず問いかける。広々とした楽器編成とプレイヤー同士の鋭い聴き合いによって、ゆっくりと新たな領域へと進化していく。

‘Neutral Star’は、Morphine Raumのスタジオ／会場でRabih Beainiがライヴ・オーディエンスを前に、オーバーダブなしでワンテイクで録音したという事実は、訓練された耳にとっても信じがたい。この録音は、1回のスナップショットにしてはあまりに多層的で、その構成構造は絶えず変化し、それ自体に対して、反直観的かつ反循環的に動いているように見える。レイディの演奏は「不安定なハーモニーの領域」と評され、The Pitchとのコラボレーションはこのコンセプトを見事に解釈している。しかし、聴き手は、地殻変動の過程で決して一人取り残されることはない-少なくとも、聴き手が注意深く、同時に瞑想的である限りは。