DJ JM – Abnormal EP

Abnormal は、DJ JMのサウンドが、プロダクションの価値と音楽的創造性の両面で、一段とレベルアップしたものだ。このタイトル自体が、DJ JMの絶え間ない音への挑戦をコンパクトに説明するものとなっている。『Abnormal』は、クラブ・ミュージックを奇妙で予期せぬものにし続けるJMの長年の仕事を集約したものだ。このEPは、彼がその名を確立したチャンキーなパーカッションとクイックステップなリズムはそのままに、複雑で巧妙にデザインされたサウンドベッドを含み、DJ JMが以前の『No Days Off』や『Squash EP』で探求し始めた脅威的なエレクトロ・テクノの威圧感を拡張している。

サンプルよりもシンセを好むAbnormalは、突然はじけるサイケデリックなメロディー、オフキルターなオーディオ・マニピュレーション、泡立つアシッド・トリップのベースラインで満たされている。また、ヴィリニュス近郊の古代集落の遺跡に刻まれた民族的シンボルや記章の反復的で変形するパターンから影響を受けており、トラックは微妙だがリトアニア独特のエッジを持っている。
Syze」は、メロディックなパーカッシブ・リフがアルペジオ・ベースラインの上で跳ね、その間にシンセの華やかさとトーキング・ドラムが挟み込まれている。Pepper」は、DJ JMのトレードマークであるハイエナジーなヴォーカル・チャントと太く叩きつけるようなベースラインが特徴的だ。タイトル・トラックの「Abnormal」は、おそらく最もストリップ・バックな曲で、刻みを増したパーカッションが重厚な雰囲気を作り上げている。EPの最後を飾る「Erazer」は、インダストリアルなリズム・セクションにフィルター・パッドとスライディング・スケールがダッキングする。どの曲も “今のは何だったんだ！”というようなハイライトで、クラブで盛り上がるようなパッケージの中に野性的なアイデアが渦巻いている。