Soars – Repeater

CULT.OF.LUNAのシンセ奏者であり、PG.LOSTのベーシスト／ヴォーカリストでもあるクリスティアン・カールソンのソロ・プロジェクト、Soars。なぜPG.LOSTのアルバムではないのですか？

“PG.LOSTにふさわしくないが、同時に私の耳には良すぎて捨てられないような、書いたアイデアを捨てるのに疲れました。PG.LOSTという集団は比較的ゆっくりとしたペースで活動しているのに対して、私は常に曲を書いているようなものだから……。

カールソンは2021年にSoars名義でソロ・デビュー・アルバム「Enfold」をリリース。カールソン自身がレコーディングからリリースまでを手掛けた「Enfold」は、ポストロック界に大きな反響を呼び、プレス盤は瞬く間に完売。クリスチャン・オーギュスタン（STIU NU STIU、CULT OF LUNAのライヴ・ドラマー）のパワフルなドラミングとカールソンのカリスマ的なシンセのメロディーに後押しされた8曲は、ヴァンゲリスやジャン＝ミシェル・ジャールのようなアーティストの映画的作品や、God is An Astronaut、Caspian、Mogwaiのようなポスト・ロックへの明確な参照を共有しています。「Soarsは、個人的な旅であり、何年もかけて開発されたサウンドの表現です」とカールソンは説明します。そして、このような長期的な芸術性の発展により、前述のアーティストのような慣れ親しんだトーンやテクスチャーのパレットで絵を描きながらも、カールソンは常に彼独自の絵を描いているのです。

タイトル曲 “Repeater “は、オーケストラの壮大さとメランコリーに彩られながら、なぜかアルバム全体に漂う希望に満ちた感覚。加工されたヴォーカルと輝かしいメロディが幾重にも重なる「Uprise」は、文字通り高揚した喜びの波が押し寄せてくるよう。彼のレトロなシンセ・サウンドを太くモダンなプロダクションに包み込んだ『Repeater』は、見事なダイナミック・アーク、キャッチーなメロディー、そしてアトモスフェリックな密度でいっぱい。レコーディングもミックスも無垢で、ある意味時代を超越しています。「レコーディングのプロセスはとてもシンプルでした。「アイディアの多くは自宅のキッチンで生まれ、スタジオで最終的な形になりました」。

Soarsで、カールソンは、彼の天賦の才を音波に変換する能力を証明しています。Repeater』は、音楽に生き、音楽を呼吸する男の現れであり、聴く者の心をつかんで離さないアルバム。