MLDVA & Çınar Timur – MLDVA & Çınar Timur

Shapes of Rhythmは、MLDVAとÇınar Timurによるトルコのサイケデリック・ポップのセルフタイトル・デビューLPを紹介できることを誇りに思う。バルシュ・マンソや最近のアルトゥン・ギュン、デリヤ・ユルドゥルム＆グルップ・シムシェクなど、70～80年代のトルコ音楽界の伝説的なミュージシャンが好きなら、うってつけの一枚だ。

MLDVAは、DJ兼プロダクションとして2013年にポーランドのクラクフで結成された。ギリシャとトルコの民族音楽とサイケ・ロックの影響を受け、トルコ・サウンドのトレードマークとして知られるサズなどの楽器を手に、バンドへと変貌を遂げ始めた。2年後の2015年、彼らはトルコの楽器奏者チュナル・ティムールを招き、これでデビュー・アルバムのラインナップが完成した。このエレクトリック・アルバムには、エネルギーに満ち、深いグルーヴ、ハードなブレイクビーツなど、クラシックなトルコ・サウンドに期待されるすべてが詰まった、素晴らしい録音による広がりのあるトラックが収録されている。

Neşat ErkaşのZülüf Dökülmüş Yüzeから、伝統的なKozan Dağıに移るインストゥルメンタル・ダブルヘッダーは、完璧なオープニング・トラックだ。イントロは、チュナル・ティムールの思索的なギターによる2分間の序曲のようなものだ。この曲は、チュナルのエモーショナルでエネルギッシュなリフにバンドがマッチするブレイク・ビート主体のワークアウトに入る前に、レコードを完璧に立ち上げている。その結果、タイトなサウンドとヘヴィなグルーヴが、この後の展開を決定づけることになった。

バンドがお披露目され、トルコのポピュラー音楽界のレジェンドであるバルシュ・マンソが作曲した「Sarı Çizmeli Mehmet Ağa」は、リラックスした、より深く、サイケデリックなグルーヴを放ち、ヴォイチェフ・ドゥゴシュのドリーミーなローズ・ピアノが、クラシックなエレクトリック・トルコ・ポップ・サウンドの特徴である、チョッピーなワウワウ・ギターのリリックをバックに支配している。ウラシュ・チュブクのヴォーカルは、19世紀アナトリアの慈善家の村の領主メフメット・アー（Mehmet Ağa）の歴史的な物語を語るもので、その寛大さで知られている。彼は困っている人々に財産を分け与え、その結果、無一文で死んだ。この曲では、チュナルがミクトロトナル・エレクトリック・ギターで奏でるユニークなサウンドも聴くことができる。