Lustmord – Much Unseen Is Also Here

ARTIST :
TITLE : Much Unseen Is Also Here
LABEL :
RELEASE : 3/15/2024
GENRE : ,
LOCATION : Los Angeles

TRACKLISTING :
1.Behold A Voice As Thunder
2.Entrails of the God Machine
3.An Angel Dissected
4.A Shadow Cast Upon The Deep
5.Invocation of the Nameless One
6.Their Souls Asunder
7.Hence Shall They Be Devoured All of Them
8.Other Woes Are Yet To Come

ダーク・アンビエントのパイオニアであり、スティジアン・ドローンの伝説であり、神話に近い存在であるが、「Much Unseen Is Also Here」で再びヴェールを突き破った。

彼は、Cosey Fanni TuttiとThrobbing GristleのChris Carterに、彼独特のオーラを放つ音楽を作るように促され、1980年にLustmordのマントとなった。フィールド・レコーディングの実験とほぼ絶え間ないコラボレーションの9年後、ラストモードは3rdアルバム「Heresy」をリリースした。このアルバムはインダストリアル・シーンの金字塔となり、現在ではダーク・アンビエントというジャンルの原点として広く知られている。

それから35年後、「Much Unseen Is Also Here」は「Heresy」によって確立された遺産を引き継ぎ、その魅惑的な物語の弧を再現している。Much Unseen Is Also Here」は3つのパートで構成されており、一回で途切れることなく聴くことができる。リスナーを音楽の中にしか存在しない、妥協のないパラレルワールドへと連れ去り、最後には永遠に変わってしまったリスナーを放り出す。

オープニング曲の「Behold A Voice As Thunder」は、不吉なドローンのような霧の中に、言いようのない何かが隠されている。氷河のようなストリングス、ジザーのようなディルジ、操作されたファウンド・サウンドは、迫り来る足音なのか、巨大な鼓動なのか、その選択はリスナーの想像力に委ねられている。そのほか、「Their Souls Asunder」は、人間性を垣間見ることのできるコーラスが中心となっている。しかし、曲が進むにつれ、これらの声は衰え、枯れ、ゆがみ、傷ついた動物の鳴き声のようなものが残る。

この不確かさと未知の恐ろしさの感覚は、ラストモードの作品に繰り返し登場する重要なテーマだ。「私は音に語らせることにしたんだ」とブライアンは言う。「私の音楽は説明するためのものではなく、宇宙という広大なスケールの中で、私たちの原始的な思考や行動がいかに取るに足らないものであるかを明らかにする手段として聴かれるものだ。

Heresy』の魅惑的な物語が、プロダクション・ワークとサウンド・デザインにおける素晴らしいキャリアのきっかけにもなったことは、もう驚くことではないだろう。Lustmordでの数々のソロアルバムと並行して、Tool、Isis、Jarboe、Coilのジョン・バランス、SWANS、Mortiis、Melvinsなどのアーティストや組織と仕事をしてきたウィリアムスは、2021年にリリースした最新作「ALTER」では、受賞歴のあるシンガーソングライターであり、Årabrotのメンバーでもあるカリン・パークとコラボレートしている。

1994年からL.A.を拠点に活動するラストモルトは、「The Crow」、「Strange Days」、「From Dusk Till Dawn」、「Underworld」、最近ではFXの「Fear The Walking Dead」シリーズや「タクシードライバー」の脚本家ポール・シュレイダーが2017年に監督した映画「First Reformed」など、象徴的な映画やテレビの音楽にも作曲家およびサウンドデザイナーとして貢献している。サウンド、ジャンル、メディアの境界を押し広げようとするラストモードは、『アサシン クリード』、『リーグ・オブ・レジェンド』、そして2022年のH.R.ガイガーにインスパイアされたサバイバルホラーゲーム『Scorn』といったビデオゲームのサウンドスケープにも貢献している。

ラストモードの画期的なダーク・アンビエントへの入り口であると同時に、現在の彼の実力、そしてこれからの可能性を示唆する作品でもある。43年のキャリアでわずか39回しかライヴを行なっていないラストモルトは、「Much Unseen Is Also Here」に隠された宇宙の秘密を、大地を揺るがすようなサブベース、背筋がゾクゾクするような儀式主義、逃れられない実存主義的な恐怖を織り交ぜた、彼の独特で時代を超越した調合の上で、生で分かち合う準備ができているのかもしれない。