Low Flung – The Wheel

ARTIST :
TITLE : The Wheel
LABEL :
RELEASE : 8/1/2023
GENRE : ,
LOCATION : Australia

TRACKLISTING :
1.Inside
2.Gravel
3.3pm
4.Dragging A Leaf
5.Insect
6.Sea
7.Sandstone
8.Exhaust Pipe
9.Outside
10.Sinus
11.Dust

人生の狭間から2年の歳月をかけて掘り出されたの8枚目のフル・アルバム’The Wheel’。全11曲は、困難な変化を処理し、それに寄り添うための空間を提供する。これは、微細なミニマリズムの風景という形をとっている。12インチ・レコードのマイクロ・グルーヴとして、オーディオと物理的形態の両方で提供される。

音は時にさまよい歩き、時に静止し、明瞭で正確である。’The Wheel’に見られる全方位に存在する人工物は、聴くたびに異なる生命を吹き込まれる。ドローンは、砂のテーブルの上でそよ風が吹くように空間が変化するにつれて、馴染みのある軌跡が道筋を失うように作用する。ハイパー・フォーカスの胞子は、ぼやけた時間の波のまわりで展開する。電子音は、朽ち果てた自然界のリズムに合わせて流れるように捉えられる。

‘The Wheel’は、モジュラー・シンセシス、フィックスド・アーキテクチャー・シンセシス、Buchla Music Easel(レプリカ)、アウトボード・エフェクト、カセット・マニピュレーション・テクニック、サンプラー、そしてオーストラリアの東部海岸線沿いで採取された、質感豊かで歴史的に疑問の多いフィールド・レコーディングを使用して制作された音響実験のパッチワークである。

トラックは、さまざまなリスニング環境の音響を受け入れる物質性をもって構成されている。ムードと同じように、リスニング・スペースの自然な音響によって、それぞれのリスニング体験はユニークなものになる。このアルバムのサウンドは、この現象を受け入れ、豊かで直感的なリスニング体験を作り出し、個別の時間の瞬間をゆっくりと削っていく。

‘The Wheel’では、新たな音の実験領域を横断しようと試みたというよりは、ダニーがオーディオ・ヴィジュアル・アーティストとして過去10年にわたって探求してきた様々な空間に触れている。厳密には8作目だが、このアルバムは「Blow Waves(2018年)」から「Outside The Circle(2020年)」へと明確な線を引き、拡張された非直線的で意図的でない風景シリーズの3作目にして最終章となったと言った方がしっくりくるだろう。それぞれが2年の期間をかけて構想されたことは、セレンディピティ(偶然の一致)である。

このアルバムは、困難な変化への対応に焦点をあてているが、同時に、自分が置かれた瞬間を祝福するものでもある。良いこと、悪いこと、簡単なこと、大変なこと、このアルバムは、あなたがどのような道を歩んでいても、満足感を得る手助けをする試みなのだ。それぞれのサイクルで、新しい文脈が生まれる。