koeosaeme – Beige

‘Beige’ は、逆説的な快楽の流れるような組曲であり、魅力的な奇妙さと説得力を併せ持つ魅力的な音楽である。このアルバムはメロディアスで瑞々しく、それでいて異質なポスト・インターネットの空気を保っている。グリッチや機械的なうなり声が、没入感のあるミディ・フレーズの中で渦を巻いている。”I” から “III” までのパートは、このアルバムの複雑な方法論の基調となるもので、外科的なプロダクションと印象主義的なメロディーのバランスが取られている。Beigeは繊細だが要求が高く、最先端のヘッドホン・テスト・トーンのブリップスケープ、実験的な音素材のコラージュ、ミニマルな新古典派作曲の間をシームレスにたゆたう。Koeosaemeの作品が伸びたり曲がったりし続けるにつれて、より広々とした、より人目を引く、より本質的なものになっていく。’Beige’ は、バランス、緊張感、メロディー、そして感情を揺さぶるジェスチャーとしての音の見事な作品である。