Ki Oni – A Leisurely Swim To Everlasting Life

2021年の ‘Stay Indoors And Swim’ で確立された美学をベースに、より意図的にリスニングに焦点を当てた ‘A Leisurely Swim To Everlasting Life’ は、Chuck Soo-HooのKi Oniプロジェクトにとって、音と環境の関係を媒介するものとなっている。

「今年初めに悲しいことに他界した祖母に捧げたかったんだ。中国の伝統では、最近亡くなった人の家族や友人は、死後の世界に完全に移る前に、愛する人に最後のお別れを言うために霊魂を家に導くのを助けるために、数日間明かりを点けたままにする」

スフーの祖母の幼少期の思い出と、彼女の庭で泳いだり食べたりして過ごした夏の思い出に触発された ‘A Leisurely Swim’ は、死後の世界へと浮遊する霊魂のアイデアを探求しており、この抽象的な表現を静謐な手段として、きらびやかな微音を用いている。このような努力の成果は、キラキラと輝いている。生きている魂も、移りゆく魂も、すべての魂が温かい光に包まれ、家路につくための道標である。

しかし、このコンセプトを完全に探求するためには、レコーディングに現実世界の一部を取り入れる必要があった。「各作品のベースとしてフィールド・レコーディングを使ったのは今回が初めてでした。霊魂が愛する人を訪ねて地上を浮遊しているときのような外の音を捉えたかった。近所を歩いているとき、自転車に乗っているとき、地下鉄に乗っているとき、ダブラボにいるとき、あるいは珍しいロサンゼルスの雨が窓から降っているときにiPhoneで録音していました」。これらの成果物を集め、一連の長編即興セッションを経て、『A Leisurely Swim To Everlasting Life』の構成が構築された。創作しながら聴くという行為に没頭する流れ状態に。