Jasmine Wood – Piano Reverb

ARTIST :
TITLE : Reverb
LABEL :
RELEASE : 3/8/2024
GENRE : piano, ,
LOCATION : Dublin, Ireland

TRACKLISTING :
1.I
2.II
3.III
4.IV
5.V (It’s Haunted I Can Feel It)
6.VI (Friends)
7.VII
8.VIII (Tremolo)

私が初めてアイルランドに移住したとき、思いがけず何千もの空き教会が目に飛び込んできました。巨大なホールは空洞のような空虚さを形成し、それは数ヶ月続き、やがて数年になりました。このレコードは、そのような教会のひとつで、ブリュートナーのアンティーク・グランドピアノを使って作られました。私は1年間、ほとんど毎日このピアノで作業し、録音しました。モダン・クラシックの領域で作曲に取り組んでいるうちに、それぞれの音が部屋全体に響き渡る残響の充実感に惚れ込んでしまったのです。やがて私は完全に焦点を移し、それぞれの音の終わりに持続するリバーブだけを録音することにしました。和音と単音のバリエーションで、サステインだけをとらえるようにしました。このアルバムに収録されている曲は、すべてこの録音を使ったものです。

ピアノは100年以上前のもの。そのパーツの経年変化が、その使用と時間を反映する新たな要素となっています。そのサスティーンは独特で不完全な音色で、アクションは時折深く低いガラガラ音で終わります。このため、他の作品の録音中に問題が発生することもありました。これまでの録音からこの追加ノイズを取り除き、不完全なものとみなす代わりに、このコンセプトのためにそれらをすべて借用しました。それぞれのサステインの長さを長くし、ガラガラ音もいくつか加えて、オーケストラのように織り上げました。録音で聴こえるアナログの音を変えたり操作したりすることは、ほとんどしていません。私の目標は、このピアノが演奏された空間と時間を正確に捉えることです。一部の音符はわずかに引き伸ばされたり、ピッチがずらされたりしていますが、ほとんどはそうではありません。このようなわずかな音符の変化によって、その音符の中にある個性が明らかになり、まぎれもなく人間的な表現が耳に届くようになりました。このセッションを通して、時折動物的なうなり声として発音される予期せぬ音が存在することがわかりました。ピアノはそれを生み出すことができるのです。多くの音符をアナログのまま、ピッチや時間の微小な変化と組み合わせ、これらの “新しい”音は、エフェクトによって作られたものではなく、このアレンジの過程で明らかになったもの、あるいは作り出されたものであることが明らかになりました。