Gnoomes – Uletai EP

2023年3月にリリースされ、高い評価を得たアルバム「Ax Ox」からちょうど1年、Gnoomesが新曲を発表した。

「Ax Ox」は、複雑で人を寄せ付けない現代へのオデッセイのようなもので、クラウト・ポップから結晶のようなテクノ、歪んだアンビエンスまで、全11曲にわたって生き生きとした感情を駆け巡る、高揚感溢れるコスミッシェ紀行だった。

8分を超えるトラック「Ule」を筆頭に、ドリームポップの輝き、大胆なエレクトロニック実験、推進力のあるモーターリック・ドライブなど、バンドの広い視野の美学を引き継いだトラックとなっている。

「この曲は、不慮の事故で亡くなった私たちの亡き友に捧げられたものだ。無意識のうちに、この言葉が私の目の前に現れたのです。”Uletai, “Tai”。幸い家にマイクがあったので、すぐに録音した。この曲の悲しい背景とは裏腹に、音楽的には長調のままである。私たちが失ったものを悲しみ続けていても、不思議なことに、現実という名の狂気の中で友人の明るい存在が輝いているのを感じるのです」

「Ule」に続くのは、催眠術のようなサウンドの「Tai」だ。「この曲も『Ule』と同じ頃に構想された」とサーシャは言う。「マーシャと私はロシアの実家でジャムっていたとき、あるシンプルなアイデアに行き当たり、スロヴェニアに移ってからそれを発展させたんだ。サウンド的には、このトラックは1曲目を補完するものだと思う。反復的でトリッピーだけど、よりミステリアスなヴァイブスを持っている」

「『Ule』が現世から別の次元への旅についてのトラックだとしたら、『Tai』は純粋なエネルギーとしての自分自身に気づくことについてのトラックだ。ある意味（どうか私を嫌いにならないでほしい）、これはCanの『Future Days』を私たちが芸術的に解釈したものだと思う」。

母国ロシアを離れ、現在はスロヴェニアを拠点に活動しているGnoomesは、2024年3月と4月にイギリスとヨーロッパでライヴを行う。この極めてユニークなバンドの素晴らしいサウンドに浸るまたとないチャンスだ。