Ezra Feinberg – Soft Power

ARTIST :
TITLE : Soft Power
LABEL :
RELEASE : 5/31/2024
GENRE : , ,
LOCATION : Brooklyn, New York

TRACKLISTING :
1.Future Sand (feat. David Lackner)
2.Soft Power (feat. David Lackner)
3.Pose Beams (feat. Jefre Cantu-Ledesma, Robbie Lee)
4.Flutter Intensity (feat. Russell Greenberg)
5.The Big Clock (feat. David Moore, Britt Hewitt)
6.There Was Somebody There (feat. David Moore, Jefre Cantu-Ledesma)
7.Get Some Rest (feat. Mary Lattimore)

のサード・アルバム『Soft Power』には、Mary Lattimore、David Moore (Bing & Ruth)、Jefre Cantu-Ledesma、Robbie Leeといった豪華なミュージシャンが参加。

豊富なメロディー、繰り返される図形、恍惚とした即興演奏によって定義されるソフト・パワーは、聴き手を力づける啓蒙的で変容的な精神を発散。精神分析医であり、サンフランシスコのサイケデリック集団Citay(Dead Oceans / Important Records)の元創設メンバーであるファインバーグは、ニューヨーク州北部のハドソン川流域の芸術的飛び地に在住。最初のレコーディングは2020年の晩夏に行われ、その後2021年初頭にジョン・セイヤー(アープ、サンウォッチャーズ)との共同作業による合成が行われました。前作「Recumbent Speech」(2020年)、「Pentimento and Others」(2018年)に続く「Soft Power」。

フルートと安定したアルペジオを巧みに織り交ぜた慈愛に満ちた心優しいオープニング「Future Sand」。高鳴るメロディの下にあるライヒ的なパルスは、お決まりのアナログ・シーケンサーではなく、ファインバーグの作曲アプローチで最も重要なもののひとつである指弾きのアコースティック・ギターで演奏されています。ストラタ・イーストのLPを彷彿とさせる豊かなギターとリバーブがかったローズのメロディーの上で展開される「ソフト・パワー」。「人生で最も予期せぬ、予測不可能な、自然発生的な瞬間は、柔らかさの領域にある」とファインバーグ。Pose Beams」は、Penguin Café Orchestraのチェンバー・ジャズ的なアプローチと、バレエ的なコスミッシェを融合させたもので、クライマックスでは、おなじニューヨーク出身のRobbie Lee(ピアノ)とJefre Cantu-Ledesma(グラニュラー・シンセとモジュラー・シンセが、John Thayerの表現力豊かなドラミングに粒子の粉を振りかける “フリー・インプロヴィゼーション “セクションが、活気に満ちたクレッシェンドを奏でます。Flutter Intensity」は、TNT時代のTortoiseを彷彿とさせる清らかなヴィブラフォン・ラインをキャンバスに、ステレオ・フィールドをピンポン飛び交うアコースティック・ギターで奏でられるClusterの音楽を想起させます。楽器は連動して動くだけでなく、宙を漂うように滑空し、多彩なリズム、テクスチャー、トーンがアルバムの布地に織り込まれています。

この7曲入りアルバムの中心にある「The Big Clock」は、引き伸ばされた様々な音色のペアから展開されるトリプティックな曲で、臆面もなく打ち出されるモトリックなビートの上にテクニクな色彩のフィールドを作り出し、他の場所で聴かれる牧歌的でアンビエントな音域を相殺する役割を果たしています。David Moore (Bing & Ruth)が2曲のうち1曲目として参加しており、カムダウンでは軽快なピアノ・ラインを弾いています。There Was Somebody There」はアルバムの初期の切なさに戻り、ステレオ・パンされたハードな音世界と、軽快にかき鳴らされるアコースティック・ギターが組み合わさり、ワッシーで絵画的な情景を描き出します。David MooreとJefre Cantu-Ledesmaは、生命サイクルをシミュレートしているかのようなシンセサイザーを提供。アルバムの最後を締めくくるのは、Mary Lattimore(メアリー・ラティモア)をフィーチャーした内省的な「Get Some Rest」。

ファインバーグはリスナーを芸術的に豊かな場所へと超越させ、彼の作曲はその核にある深い人間性によって際立ち、リスナーを目を見開き、開放的で生き生きとした状態へと導きます。ソフト・パワーは、Ezra自身のマントラであると同時に、音楽に変換された色彩豊かなカタルシスであり、パワーを与えるものでもあります。

「海辺のモーテルに飾られた花の絵のように始まったものが、色彩とサウンドの暴動に変わったり、永遠に続くかのような夢の中に迷い込んだような感覚になったり……。