David Löhlein – Hotel Pool EP

ARTIST :
TITLE : Hotel Pool EP
LABEL : Records
RELEASE : 7/7/2023
GENRE : ,
LOCATION : Germany

TRACKLISTING :
1.Hotel Pool
2.La Piscina
3.Cuando Vengas
4.I Just Want

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ドイツのテクノ・シーンを思い浮かべるとき、南西部に位置する魅惑的な都市シュトゥットガルトのブドウ畑や渓谷よりも、首都ベルリンのコンクリートの一枚岩を想像する人が多いだろう。しかし、小都市には大都会のような過飽和状態や喧噪がないため、独自の刺激に満ちた独特のサブカルチャー的ヴィジョンを展開することができる。シュトゥットガルトのはこの可能性を体現しており、Vision EktaseプロジェクトやLehmann Clubでのレジデンスを通して、視覚と聴覚の特異なスタイルを表現している。このEPのタイトル・トラックには、指先で弾くようなベースラインと転がるようなポリリズムが印象的で、聴く前にためらうことはない。レヘレインは、ラテンからの影響の源としてコロンビアでの一人旅を挙げており、ヴォーカルやパーカッシブのサンプルとして「Hotel Pool」全体を通してそれを聴くことができる。ラテン・ハウスやトライバル・ハウスによく見られる要素も、レヘレインがそれらを144bpmのテクノの土台の中で再コンテクスト化すると、これまでになく新鮮に感じられる。グルーヴィー」や「セクシー」という言葉は、通常ブッダ・バーのコンピレーションにしか使われないものだが、『Hotel Pool』が爽快なのは、前者も後者も兼ね備えているからだ。

この4トラッカーには快楽主義の流れが流れているが、オープニングがエロティックなら、A2「La Piscina」はサイケデリックだ。ベースがメスカリンのようにたゆたう中、無限にループするおしゃべりの声と深い竹筒の音が魅了する。ここでもまた、レーラインは特定のジャンル(この場合はサイトランスのもの)を取り上げ、独自のスタイルでスリリングな結果をもたらしている。レヘレインにサイトランスが好きかどうか尋ねると、”テクノなら好きだ “という答えが返ってくるかもしれない。

フリップをリードする “Cuando Vengas “は、曖昧で有機的な出自のダークで粘着質のループを中心にヒートアップする。ヴォーカルと微妙なリズムのバリエーションがダンスフロアを震えるような至福へと導く。このEPは、ボードリヤールの有名な質問 “乱交パーティーの後は何をするのか?”に答えるかのような、まばらで冷たく、ビットクラッシュしたストーカー的なトラック “I Just Want “で幕を閉じる。Hotel Pool EPの奔放な遊びがベルリンの作品に終始しているのは、おそらくドイツのテクノ・シーンにおけるベルリンの優位性を証明しているのだろうが、何度か聴いているうちに、David Löhleinのシュトゥットガルトではどんな稀有な楽しみを見逃していたのだろうと思い始める。