Coil – Moon’s Milk (In Four Phases)

ARTIST :
TITLE : Moon’s Milk (In Four Phases)
LABEL :
RELEASE : 3/15/2024
GENRE : experimental, ambient, industrial
LOCATION : London, UK

TRACKLISTING :
1.Moon’s Milk Or Under An Unquiet Skull (Part 1)
2.Moon’s Milk Or Under An Unquiet Skull (Part 2)
3.Bee Stings
4.Glowworms / Waveforms
5.Summer Substructures
6.A Warning From The Sun (For Fritz)
7.Regel
8.Rosa Decidua
9.Switches
10.The Auto-Asphyxiating Hierophant
11.Amethyst Deceivers
12.A White Rainbow
13.North
14.Magnetic North
15.Christmas Is Now Drawing Near
16.Copal
17.Bankside
18.The Coppice Meat
19.Ü Pel (Incense Offering)

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2002年に初めて2枚組CDとしてコンパイルされた「Moon’s Milk (In Four Phases)」は、が1998年にかけて自身のインプリントであるEskatonから季節ごとにリリースした4枚のEPのセットである。これらのセッションのラインナップは、John Balance、Peter “Sleazy” Christopherson、Drew McDowall、William Breezeである。海辺の小さな町ウェストン・スーパー・メアへの永住移転前夜に、主にロンドンのチズウィックにある彼らのホーム・スタジオで録音されたこの作品集は、グループのディスコグラフィーの中でも極めて重要で最高峰の作品として長い間君臨してきたが、これまで正式に再発されたり、レコードとして再プレスされたことはなかった。時の流れは、その堂々たる奇妙さのタペストリーをさらに熟成させている。

赤道と夏至をトリビュートして順次アレンジされた「Moon’s Milk」は、即興性、自発性、サウンド・デザインにより深く傾き、啓示的な岐路に立つコイルを捉えている。Moon’s Milk or Under an Unquiet Skull」で始まる「Spring Equinox」は、ヴォーカルのドローン、大聖堂の鍵盤、船酔いのストリングス、オピエートの水流が織り成す2部構成の冥界オルガンの交霊術だ。そこから「Summer Solstice」は軽めの曲調に傾くが、それに劣らず呪術的で、Balanceは明晰夢のトーチ・ソング(「Bee Stings」)、煉獄のようなスポークン・ワード(「Glowworms/Waveforms」)、蒸し暑い室内楽曲(「Summer Substructures」)、ファルセットの戯言(「A Warning From The Sun (For Fritz)」)を楽器として声を取り入れている。

Rose McDowallが歌うネオフォーク・バラード「Rosa Decidua」(「あなたの歌声が私のそばで聞こえる/私は(今のところ)毒入り聖杯をしまって/花壇の中で横になっている」)から、ホール・オブ・ロードの幻覚「The Auto-Asphyxiating Hierophant」、限界的なストリングス・プラックの名曲「Amethyst Deceivers」まで、「Autumn Equinox」はより物思いにふけった軽薄なムードを醸し出している、 「ブリーズの秀逸なエイリアン・ギターとバランスのよく引用されるカップリングが重なる: 「ハゲタカに敬意を払え/彼らはあなたの未来なのだから」。

アルバムの最終章である「冬至」は、最もうっとりするような、人里離れた、儀式的な曲だ。オープニングの “A White Rainbow “は、ストリングス、幾重にも重なるコーラス・ヴォーカル、戦慄のリズムをかき鳴らし、埋葬の賛美歌のようだ。「North」は荒涼と揺れ動き、機械の中の幽霊が不透明な予言をつぶやく(「This black dog has no owner(この黒い犬には飼い主がいない)/This black dog has no odour(この黒い犬には匂いがない)」)。「Magnetic North」はその逆で、穏やかに明滅するソフトウェアと超現実的なチャクラの詩学(「Red rose filling the skull(頭蓋骨を満たす赤いバラ)/Yellow cube in the lower pelvis(骨盤の下の黄色い立方体)/Silver moon crescent below the navel(へその下の銀色の月の三日月)」の誘導瞑想である。組曲は、ローズ・マクダウォールの破滅的で美しい歌声によって、死刑執行人の歌のように表現された伝統的なイギリスのキャロル(「Christmas Is Now Drawing Near」)で灰色にフェードアウトする。

Daisのボックス・セットには、Thighpaulsandraとの3つのコラボレーションを含む貴重な「Moon’s Milk Bonus Disc」CD-R / 2019 Threshold Archives Copal CDが全曲収録されている。この素材は、電気音響のシンギングボウルの儀式(「Copal」)から、幻視的なアンガス・マクライズの詩の不協和音の電子朗読(「The Coppice Meat」)、不吉なクラシックのメランコリア(「Bankside」)まで、前の4つの段階と同様に豊かで酔わせるものだ。コイルは、数十年にわたる音響的、身体的な実験を通して探求され、洗練されてきた、彼らの混乱させるような無限の錬金術の広大さを再び確認させてくれる。ポスト・インダストリアルからポスト・エブリシングに至るまで、彼らのアートは縛られることなく、自らデザインした荒野の中にある。