Ghost Woman – “Alright, Alright”

Hindsight Is 50/50』はGhost Womanの1年半ぶりのサード・アルバムであるにもかかわらず、ソングライター兼マルチ・インストゥルメンタリストのEvan Uschenkoは、本作が「ようやくバンドの本質を捉えた」最初のアルバムだと信じている。

エコーがかかったガレージ・サーフ調の “Alright Alright”。冒頭の “take a little walk with me…” というフレーズは、Murder BalladsやPeaky Blindersでも違和感のない、不吉でゴシックな色合いをしている。サウンド的には、温かみのあるアナログ・サウンドの世界でアルバムはまとまっているが、消化しやすいヴォーカル・メロディーはほとんどなく、トラックの舵取りや意味を簡単に放棄してしまっている。これは意識的な決定であり、ウシェンコは「何かを創作するときにコンセプトはなく、ノイズを作ってアルバムを完成させること以外に、私たちが創作するものの背後に意図はない」と主張している。

Posted on 08/30/2023