Aasthma – Arrival

ARTIST : Aasthma
TITLE : Arrival
LABEL : Monkeytown Records
RELEASE : 4/8/2022
GENRE : electronica, techno
LOCATION : Stockholm, Sweden

TRACKLISTING :
1.Fall Beyond The Sun
2.It’s Just Your Style (feat. Jonnine)
3.Arrival (Fast Forward Into Love)
4.Lights Out (feat. Adam Olenius)
5.Nod (feat. Gavsborg)
6.Hold Back Love
7.Soulhack (feat. Silvana Imam)
8.One Million Seconds
9.We Will Never Change
10.3AM (feat. Casey MQ)
11.Power Ambient Piano Ballad

スウェーデンのデュオ、Aasthmaのデビューアルバム ‘Arrival’ は、大きく、大胆で、明るく、全く大胆不敵な作品です。このアルバムは、「Justin BieberがRotterdam Terror Corpsと合流して、Grand Ole OpryでAbbaのカヴァーをしているような」、テクニカラーの巨像が聳え立つ「世俗の歓喜」とクリエイターは表現しています。

Aasthmaは Pär Grindvikと Peder Mannerfeltによる15年以上にわたる友情の産物であり、この2人はテクノの領域での活躍でよく知られているが、Arrivalは従来のジャンルの概念にとらわれないレコードである。このアルバムをポップ・アルバムと呼ぶのは効果的な表現かもしれないが、サウンド的にはハイファイな旋風であり、トップ40のバラードやブレイクビーツのローラーにトラップのバンガー、ネオンきらめくEDMや小声のダンスホールが加わり、目くるめくサウンドワールドを構成しているのである。

このアルバムのルーツは、グラインドヴィークとマンネルフェルトが Fever Ray(フィーバー・レイ)との共同作業に費やした時間にあり、2018年の『プランジ』ツアーに向けてスウェーデンのアイコンのカタログ全体を文字通り作り直したことにある。エレクトロニック・ミュージックの通常の境界を大きく超えて、喜びと爽やかな虚飾のない場所へと押し上げるスリルを体験した2人のプロデューサーは、テクノの陳腐で定型的な「ルール」を捨て去ることを決意し、Aasthmaが誕生したのだ。二人の最初の作品はダンスフロアを中心に展開されたが、ModeselektorがAasthmaにMonkeytownのためのLPを制作するよう依頼すると、事態はすぐに進展することになる。

‘Arrival’ は、Aasthmaのビジョンそのものだが、決してソロ作品というわけではない。それどころか、GrindvikとMannerfeltはこのアルバムを、これまでコラボレーションしたいと思ったことのあるあらゆる人に声をかける絶好の機会だと考え、目を見張るような協力者を着実に集めていったのだ。HTRKのヴォーカリストJonnine Standish(”It’s Just Your Style”)とスウェーデンのラッパーSilvana Imam(”Soulhack” )のようなメランコリックなアーティストを起用するアーティストはほとんどいないが、Aasthmaはそれだけではなく、Shout Out LoudsのフロントマンAdam Olenius(”Lights Out” )を含む “Dream Mixtape” として、才能豊かなメンバーを揃えることに成功したのだった。Equiknoxxの共同設立者であるGavsbourg(”Nod”)、キラキラしたポップ・クルーナーのCasey MQ(”3am”)、陰鬱で映画的なMalcom Pardonは、感情をかき立てる静電気に満ちたLPクローザー “Power Ambient Power Ballad” を含むいくつかの曲で実際にプレイしている。

FKA Twigs、The Knife、Fever Rayなどを手がけた Johannes Berglundとともに Aasthmaがミックスを担当した ‘Arrival’ は、テクニカラーの極彩色とスカンジナビアポップのトレードマークともいえる光沢を併せ持っている。しかし、頭蓋骨をガタガタ震わせたり、鼓膜を破ったりするのは簡単なことだが、それは彼らの最終目標ではない。Aasthmaは驚きや高揚感、一体感を醸成することに重きを置いているので、皮肉や中途半端な感動を求める人は他をあたったほうがいい。’Arrival’ は自由な祝祭であり、紛れもないポップフックほど人々を素早く集めるものはない。