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孤独の咆哮と夢想の調べ。Këkht Aräkhが最新作で提示する、90sブラックメタルへの敬意と現代的実験精神の融合

ウクライナ出身のDmitryによるプロジェクトKëkht Aräkhが、最新アルバム『Morning Star』を3月27日にSacred Bones Recordsからリリースします。ベルリンとストックホルムで録音された本作は、これまでの作品で確立してきた「凶暴なブラックメタル」と「内省的なバラード」の緊張感をさらに深化させた作品です。長年のスランプや不安を乗り越えて到達した本作は、これまで以上に生々しくパーソナルな感情が反映された、彼の芸術的旅路における一つの到達点となっています。

本作では、ドラムにJonathanを迎え、Dmitry自身がほぼ全ての楽器を担当。さらに、人気ラッパーBladeeとの意外な共演や、Varg2™らによる抽象的なサンプリングが加わっています。これにより、90年代ブラックメタルの伝統を継承しつつも、アナログの温かみやローファイな質感、実験的なサウンドが同居するユニークな音像が完成しました。マスタリングはEmptysetのJames Ginzburgが手がけ、ダイナミックで豊かな残響を引き出しています。

収録曲には過去の素材を再構築した楽曲も含まれており、激しい疾走感と静かな瞑想の間を行き来するような構成が特徴です。先行シングル「Three winters away」に見られる変容への考察をはじめ、孤独、彷徨、実存的な葛藤といったテーマが、深く沈み込むようなメランコリックなメロディと共に綴られています。伝統と革新、そして私的な告白が融合した本作は、Këkht Aräkhという稀代の表現者の現在地を鮮烈に示すステートメントです。