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Green-Houseの最新作『Hinterlands』がGhostlyより登場。細野晴臣やFFの要素を織り交ぜ、バイオミミクリーを掲げた重層的な音響で、自然と調和する理想郷を描く。

Olive ArdizoniとMichael FlanaganによるデュオGreen-Houseが、新天地Ghostly Internationalから3枚目となるアルバム『Hinterlands』を3月にリリースします。2025年のロサンゼルス山火事という過酷な環境下で制作された本作は、単なるアンビエントの枠を超え、IDMや現代音楽の要素を飲み込んだ重層的な仕上がり。環境不安や政治的な閉塞感が漂う時代において、あえて「幸福」や「喜び」という感情を肯定し、ユートピア的な理想を共有するための道具として、極めて誠実でラジカルな音楽を提示しています。

先行シングル「Farewell, Little Island」は、テクノロジーによって沈む村を描いたアニメ映画から着想を得ており、軽やかなギターサンプルが静かな美しさと悲劇の絶妙なバランスを保っています。アルバム全体では、細野晴臣の『パシフィック』を彷彿とさせる「Sun Dogs」や、ファイナルファンタジーの音楽(特にチョコボの記憶)へのオマージュを感じさせる「Valley of Blue」など、多彩な影響源が螺旋状に絡み合っています。彼らが提唱する「バイオミミクリー(生物模倣)」の概念が、オーケストラのような壮大な響きとなって結実しました。

ビジュアル面では、ヨセミテ国立公園などで撮影した風景を水滴越しに拡大したマクロ写真のアートワークを採用。これは、有機的な自然とデジタルな音響工作が交錯する彼らの音楽的な小宇宙(マイクロコスモス)を象徴しています。サニベル島での幼少期の記憶から山々の広大な景色まで、リスナーを空想の旅へと誘う本作は、驚異の念の裏にある深い憂慮さえも慈しみ、音楽によって自然界との繋がりを再生させようとする彼らの揺るぎない信念の証明です。