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CATSINGTON – “many gears ago”

ロサンゼルスを拠点とするバンド CATSINGTON が、近日リリース予定のアルバム『don’t be embarrassed』より、新曲「many gears ago」のミュージックビデオを公開しました。ボブ・フォッシー監督の映画『All That Jazz』(1979年)の映像をフィーチャーしたこのビデオは、バンドが奏でる「思わず微笑んでしまうような、あるいは少し眉をひそめて考え込んでしまうような」ドリーミーなサウンドと見事に共鳴しています。ソングライターの Jeff Katz を中心とした4人編成による、繊細で万華鏡のようなアンサンブルが、視覚と聴覚の両面から独特な浮遊感を作り出しています。

歌詞の面では、時を経て変化していく「心の歯車(gears)」をメタファーに、自己愛と「他の誰かになりたい」という切実な変身願望の矛盾が描かれています。「ステージの上で隠れる方がずっと楽だ」という一節は、映画の煌びやかさと虚無感の対比を象徴しており、自分自身を忘れたいと願いながらも、大切な誰かを忘れられず、自分を変えてほしいと請う人間の脆さが浮き彫りになります。Jeff Katz によるプロデュースと Will Evans によるマスタリングが、この内省的でどこか演劇的な物語に、現代的で温かみのある響きを与えています。